写真=Shutterstock。DMAが大規模プラットフォームの検索結果の表示設計にも踏み込む姿勢を示した案件となっている。

欧州連合(EU)が、Google検索における自社サービス優遇の疑いを巡り、デジタル市場法(DMA)に基づく巨額の制裁金を検討していることが分かった。検索結果で自社サービスを競合より有利に扱い、競争をゆがめたかどうかが調査の焦点となっている。

25日付のCryptopolitanによると、欧州委員会は、Alphabet傘下のGoogleに対し、数億ユーロ規模の制裁金を科す案の詰めの調整を進めている。実際に決まれば、DMAの下では最大級の制裁事例となる可能性がある。

争点は、Googleが検索市場での支配力を背景に、自社サービスを競合より目立つ位置に表示したかどうかだ。欧州委員会は2025年3月、Google検索に関する正式調査を開始。検索トラフィックが自社サービスに集中するよう設計されていたかを調べてきた。

最終判断は、ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長に委ねられているとされる。業界では、夏季休会前に結論が示されるかどうかに関心が集まっている。

今回の案件を巡っては、タイミングの微妙さを指摘する声もある。EUと米国が関税交渉で合意した直後に、米ビッグテックを対象とする大型制裁が打ち出されれば、米欧関係に新たな火種となりかねないためだ。

もっとも、欧州委員会は今回の対応について、制裁金そのものが主眼ではないとの立場を示している。報道官のトマス・レグニエ氏は、Google側と是正策を巡る協議を続けているとした上で、協議が実を結ばなければ追加措置に速やかに踏み切る可能性があると説明した。「協議を継続するとしても、可能な限り早く次の段階に進むことをためらわない」と述べた。

これに対しGoogleは、DMA施行後の対応によって、欧州での検索体験はむしろ悪化したと反論している。規制に対応するため検索アルゴリズムやサービス構造を見直した結果、製品競争力が大きく低下したとの主張だ。

Googleの広報担当者は、「DMAに基づく検索の変更は、製品史上でも最大級の性能低下を招いた」とした上で、「欧州のユーザーに質の低い体験をもたらし、一部の利害関係者だけが利益を得た」と述べた。

EUとGoogleの対立は今回が初めてではない。EUは2010年以降、検索、Android OS、広告プラットフォーム「AdSense」など、Googleの中核事業を幅広く対象に反トラスト調査を進めてきた。これまでの制裁金の累計は80億ユーロを超えるとされる。

なかでもAndroidを巡る制裁は、Googleの事業運営に大きな修正を迫る転機となった。EUは、Googleがスマートフォンメーカーに特定アプリの搭載を求め、競合プラットフォームを基盤とするAndroid派生OSの利用を妨げたと判断した。

これを受けてGoogleは2018年、メーカーがGoogleアプリ一式を搭載しなくても、Playストアのライセンスを取得できるよう方針を変更した。欧州のAndroidユーザー向けには、初期設定時に既定のブラウザと検索エンジンを選択できる仕組みも導入した。

アドテク市場への圧力も続いている。欧州委員会は2021年にGoogleの広告事業を巡る調査を開始し、2025年にはアドテク市場での反競争的行為を理由に、約29億5000万ユーロの制裁金を科した。

市場では、今回の検索案件が、DMAによってビッグテックの自社優遇をどこまで抑え込めるかを占う試金石になるとの見方が強い。今後の焦点は、Googleが追加の是正案を提示するか、欧州委員会がそれを受け入れるかにある。夏季休会前に結論が出れば、EUのプラットフォーム規制は一段と強硬になる可能性がある。

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