Ethereum共同創業者のビタリック・ブテリン氏は24日、Ethereum Foundation(EF)の役割や運営を巡る批判に反論し、価格下支えやマーケティング機能の強化はEFの本来業務ではないとの認識を示した。あわせて、理事会の拡大を通じて運営体制を見直し、特定個人への影響力集中を抑える方針も明らかにした。
CointelegraphやBeInCryptoなど海外メディアによると、ブテリン氏は、EFに対して一部から求められているトークン価格の下支えや積極的なマーケティング強化を正面から退けた。EFが優先すべきなのは、検閲耐性、オープンソース、長期研究、サイバーセキュリティ、分散化といった中核原則の維持だと説明した。
ブテリン氏はこれを「CROPS」の原則として整理し、「競合チェーンと処理速度で競うことはEFの役割ではない」と強調した。あわせて、EFのETH保有規模を巡る批判にも反論した。
同氏は、EFが保有するETHは流通量全体の約0.16%にすぎないと説明した。これに対し、他のプロトコル財団は通常、独自トークンの10〜50%を保有していると指摘した。EFは3月に公表した委任事項(mandate)に沿って運営しており、ETHの売却規模も抑えながら、研究資金をより長期にわたって確保する方針へ切り替えるとした。
組織体制の見直しも正式に打ち出した。EF代表のアヤ・ミヤグチ氏が移行作業を主導しており、理事会の規模を拡大することで、特定人物に影響力が集中しにくい体制を目指す。
ブテリン氏自身も、理事会内での自身の影響力を弱める考えを示した。EFは先月、Lidoのステーキングプラットフォームから2万1270ETHを引き出した。売却を意味する動きではないものの、財務運営戦略の変化を示すものとして受け止められている。
またブテリン氏は、EFが直接手掛けない領域については、外部プロジェクトや外部組織がその空白を埋めることに期待を示し、EFとしてもそうした取り組みに初期支援を行う計画だと述べた。
一方で、Ethereumを巡っては、ネットワーク運営やトークノミクスを巡る批判もくすぶる。暗号資産専門メディア関係者のローラ・シン氏は、「Ethereumの原罪は、Dencunアップグレード以降の意思決定でトークノミクスが考慮されなかったことだ」と指摘した。
Dencunアップグレードは2024年3月に実施された大規模なプロトコル改編で、レイヤー2の取引手数料を大幅に引き下げた半面、Ethereumの基盤レイヤー(L1)の収益が急減する副作用を招いた。
Ethereumは24日時点で約2094ドルで取引されており、2025年8月に記録した史上最高値の約5000ドルを50%超下回る水準にある。