Microsoftが、低迷が続くXbox事業の立て直しに向けて経営体制を刷新した。CoreAI組織の出身者を新たに要職へ登用し、Game Passを含むサブスクリプション事業とクラウド事業の運営体制も見直す。
米CNBCが5日(現地時間)に報じた。Xboxの最高経営責任者(CEO)を務めるアシャ・シャルマ氏は社内メモで、新たなリーダーシップ体制を示し、ゲーム事業を再び成長軌道に戻す方針を打ち出した。
今回の再編の柱は、CoreAI組織の人材を中核に据える点にある。シャルマ氏は、2月に引退を発表したフィル・スペンサー氏の後にXboxへ移った。
同氏はMetaやInstacartを経て、2024年にMicrosoftへ入社した。これまでGitHub CopilotやVisual Studio Codeなど開発者向けツールを手がけるCoreAIエンジニアリンググループで、製品統括プレジデントを務めていた。
シャルマ氏はメモで、「仕事の進め方と組織構造を抜本的に見直す必要がある。現状のままでは、大きな成果を迅速に生み出すのは難しい」と説明した。
そのうえで、「ユーザーコミュニティよりも社内向け業務に時間を割き過ぎており、いくつかの基盤領域で理解が十分ではない」との認識も示した。
背景には、Xbox事業の不振がある。Microsoftは先週、ゲーム事業の売上高が直近6四半期で4度目の減少となったことを明らかにした。
サティア・ナデラCEOは、XboxやBingなど消費者向け事業における支持層の回復に注力していると説明している。
ハードウエア販売でもXboxの苦戦が続く。VGChartzによると、第1四半期の販売台数はNintendo Switch、Switch 2、SonyのPlayStation 5(PS5)が、Xbox Series XとSeries Sを上回った。
こうした状況のなか、シャルマ氏は4月、数百本のゲームを利用できるGame Passの料金引き下げを打ち出し、ユーザー接点の拡大を図った。
新体制についてシャルマ氏は、「Xboxに不足していた消費者理解と技術面の専門性を備えた新たなリーダーを採用している」と説明した。実際、新たに加わるリーダー4人は、いずれもシャルマ氏とともに働いていたCoreAI組織の出身だという。
サブスクリプション事業とクラウド事業も、今回の見直し対象に含まれる。Instacartでプロダクト・成長部門の役員を務めていたデービッド・シュロス氏が、Xboxのサブスクリプション事業とクラウド事業を担当する。
ハードウエア販売の鈍化が続くなか、MicrosoftはGame Passとクラウドを事業反転の中核に据える構えを鮮明にした格好だ。
一方、既存幹部の一部は退く。Xboxのユーザー体験、ゲーム開発、パブリッシングプラットフォームを統括してきたケビン・ガミル氏は退社する。
Xboxデバイスとエコシステムを担当してきたロアン・ソーンズ氏は、今夏に休職し、その後は顧問に就く予定だ。ソーンズ氏とガミル氏はいずれも、24年間にわたりMicrosoftに在籍していた。
今回の再編は単なる人事異動にとどまらない。製品開発のスピード、ユーザーとの接点、サブスクリプション事業とクラウド事業の運営体制まで含めて見直し、Xboxの実行力を立て直す狙いがある。