ARK Investは、暗号資産市場全体の時価総額が2030年に28兆ドルへ拡大する可能性があるとの見通しを示した。現在の市場規模は2兆7000億ドル超で、約10倍に膨らむシナリオを描く。
ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが5日(現地時間)に報じた。予測の中核を担うのはビットコインだ。キャシー・ウッド氏率いるARK Investは、ビットコインが今後5年間で年平均約63%成長し、市場での存在感を一段と高めるとみている。企業の準備資産としての定着や機関投資家の採用拡大、オンチェーン金融インフラの成熟を前提に置いた。
ビットコインは現在、8万1000ドル前後で推移しており、時価総額は1兆6200億ドル。一方で、2025年10月6日に付けた史上最高値(ATH)の12万6198.07ドルと比べると、依然として35.6%低い水準にある。
ARK Investは、スマートコントラクトネットワークの拡大も見込む。これらの時価総額は2030年まで年平均54%で成長し、約6兆ドルに達する可能性があるとした。年換算の売上高は約1920億ドルに増え、平均手数料率は0.75%程度になるとみる。レイヤー1のスマートコントラクト基盤は、最終的に2〜3社へ集約される可能性が高いとも指摘した。
こうした強気見通しの根拠として、ARK Investは機関マネーの流入を挙げる。マイケル・セイラー氏率いるStrategyは5日、X(旧Twitter)への投稿で、同社がビットコインネットワーク全体の3.9%を保有していると明らかにした。今年に入って確保した含み益相当のビットコインは6万3410BTCで、約51億ドル規模という。CoinMarketCapの集計では、上場企業と機関投資家が保有するビットコインは127万BTCに達し、流通量の6%超が企業のバランスシートに計上されている。
イーサリアムでも機関保有の拡大が続いている。ARK Investの支援を受けるBitMine Immersion Technologiesは4日、イーサリアム保有量が約518万枚に増えたと発表した。暗号資産と現金を合わせた保有資産は131億ドル規模としている。トム・リー会長はこの発表に合わせ、「暗号資産市場にも春が来た」と述べた。投資家心理はなお弱気寄りだが、過去の転換局面と似た状況にあるとの見方も示した。
トム・リー氏は、米国のCLARITY法案について、可決の可能性だけでなく、仮に成立しなかった場合でも市場転換のシグナルになり得るとみる。「CLARITY法案の可決の可能性、あるいは否決でさえ、暗号資産市場に春が訪れたことを確認させる」としたうえで、「イーサリアムは、ウォール街におけるブロックチェーンのトークン化と、エージェント型人工知能(AI)システムが必要とする公共的かつ中立的なブロックチェーン需要という、2つの追い風を受けている」と語った。
もっとも、ARK Investの予測が実現するには条件もある。報告書は、主要市場での規制の明確化、機関資金の継続流入、分散型金融(DeFi)プロトコルの成長が欠かせないと指摘した。今後の焦点は、現在の価格帯でも企業によるビットコインの財務目的の買いが一段と加速するのか、それとも昨年10月の高値を下回る水準でのもみ合いが続くなかで買いが鈍るのかに移る。