韓国最高裁が、Webzenの労働組合支会長に対する賃上げ分とインセンティブの不払いを不当労働行為と認定した原判決を確定した。地方労働委員会から中央労働委員会、行政法院、高等法院を経て争われてきた事案で、最高裁は4月30日、Webzenの上告を棄却した。
化学繊維食品産業労働組合Webzen支会は6日、最高裁が先月30日付でWebzenの上告を棄却し、原判決が確定したと明らかにした。判断は裁判官全員一致だったという。
争点となったのは、労働時間免除者である支会長に対する賃金の扱いだ。労働時間免除者は、団体協約や使用者の同意に基づき、一定時間または全時間を組合業務に充てる一方、賃金面で不利益を受けない労働者を指す。今回の支会長はフルタイムの労働時間免除者だった。
Webzenと同支会は、2021年の団体協約と2022年の賃金協約で、支会長の賃上げ分とインセンティブを組合員の平均額を基準に支給することで合意していた。だがその後、平均額の算定方法や個人情報の提供の可否を巡って労使の見解が対立した。
Webzenは、組合員の個人情報の提供を受けられなかったことを理由に、2022年と2023年の賃上げ分およびインセンティブを支給しなかった。これに対し労組側は、個人情報がなくても平均額を算定できる3つの代案を提示したが、会社側は実現困難な条件を求め続け、支給を拒否したとしている。労組はこれを組合活動に対する不利益取扱いに当たるとして、地方労働委員会に救済を申し立てた。
この事案では、労働委員会と裁判所の判断は一貫していた。地方労働委員会は2023年10月16日、「不利益取扱いに当たる不当労働行為」と判断。Webzenがこれを不服として再審を申し立てたが、中央労働委員会も2024年2月15日、同様の判断を維持した。
その後、Webzenは行政訴訟を提起したが、ソウル行政法院は2025年1月24日、会社側が実現困難な方策を継続的に求め、長期間にわたって支会長に2022年と2023年の賃上げ分およびインセンティブを支払わなかった行為自体が、不利益取扱いに当たると判断した。
控訴審の高等法院も2025年12月11日、1審判決を支持した。高等法院は、労組法第24条が労働時間免除者について「賃金の損失なく」組合業務を行うことを定めているほか、団体協約第11条でも労働時間免除を理由とする不利益処遇を禁じ、賃金引き上げについて全従業員と同様に適用すると定めている点を指摘した。労組側が示した3つの案についても、「合理性のある代案」と認定した。
Webzenはこれを不服として上告したが、最高裁は上告を棄却し、原判決が確定した。
判決を受け、ノ・ヨンホWebzen支会長は「労使協約の内容を恣意的に解釈し、正当な労組活動に不利益を与えることは違法だと、司法が明確に確認した」とコメントした。そのうえで、「3年を超える法廷闘争の間、責任当事者であるキム・テヨン代表と問題解決に向けた対話ができなかった点は残念だ」と述べた。
さらに「今後もWebzenの発展のため、真摯に協力していきたい」と付け加えた。
オ・セユン化学繊維食品産業労働組合副委員長(IT委員長)は、「経営陣が個人的に納得できないという理由で、個人資金ではない会社資産を多額の訴訟費用に投じ、支会長の正当な賃上げを阻もうとした点は深刻な問題だ」と指摘した。あわせて、労働委員会の判断から最高裁での確定まで1つの事案で5回の争訟手続きを経たことを挙げ、迅速な権利救済に向けて労働法院の導入が必要だと強調した。
Webzenは「最高裁の判断を尊重する。判決趣旨に沿って具体的な内容を確認し、履行する」とコメントした。