暗号資産のユースケースは、投機的な取引市場とステーブルコイン決済の2極に収れんしつつある――。決済向けブロックチェーンを開発するTempoで市場開拓を担うダン・ロメロ氏が、米マイアミで開かれた「Consensus 2026」でこうした見方を示した。CoinDeskが5日(現地時間)に報じた。
ロメロ氏は、現在の暗号資産市場を「バーベル型」に例えた。一方の端にはHyperliquidのような投機的取引市場があり、もう一方の端にはステーブルコインを基盤とする決済があるという。
同氏によると、過去5年間で実際に機能してきたのは投機とステーブルコインの領域だった。これに対し、中間領域では開発や資金調達が先行したにもかかわらず、プロダクト・マーケット・フィットを見いだせなかったプロジェクトが多かったと指摘した。
ロメロ氏はTempoに参画する前、暗号資産ソーシャルアプリ「Farcaster」の共同創業者として知られる。Farcasterは大規模なベンチャー投資と高い期待を集めた一方、普及は伸び悩んだ。
Tempoは決済分野に軸足を置く。StripeとParadigmの支援を受ける同社は、決済に特化したレイヤー1ブロックチェーンとして、コンプライアンス対応や取引制御などの法人向け機能を前面に打ち出している。ロメロ氏は、企業が特定のウォレットアドレスとの取引を制限できる仕組みを備えており、規制リスクの抑制につながると説明した。
企業の活用方法にも変化が出ている。多くの企業はトークンの実証よりも、ステーブルコインをバックエンド基盤として導入しているという。ステーブルコインは送金分野で活用が広がっており、米国とメキシコ間の越境決済でも、暗号資産ベースの決済網の存在感が高まっているとロメロ氏は述べた。
今後の需要は、インターネットを基盤とする事業者から生まれる可能性が高いとの見方も示した。特にAIエージェントを中核に据えるスタートアップは、グローバルな資金移動の手段として、ステーブルコインを事実上の標準として採用する可能性が高いとした。