韓国電気研究院(KERI)は5月6日、国立昌原大学と共同で、自律製造用のマルチエージェントAI技術を開発したと発表した。人の言語指示を理解し、複数のAIロボットが連携して生産工程を制御する技術で、製造現場で課題となってきたグラウンディングの改善につなげる。
開発した技術は、複数のエージェントが役割を分担しながら協調動作する仕組み。言語エージェントが作業指示の意図を把握し、ビジョンエージェントとロボット制御エージェントが相互に情報をやり取りしながら、それぞれの役割を遂行する。
研究チームは特に、グラウンディング技術の課題解決に重点を置いた。グラウンディングは、言語で与えられた指示を現実空間の対象や位置情報に正確に結び付ける技術を指す。
従来は「そこの赤い部品」といった指示を受けても、ロボットが「そこ」の位置座標や「赤い部品」が示す対象を正確に特定できず、誤った位置を認識したり不要な探索が発生したりするケースが多かったという。
これに対しKERIは、言語エージェントが作業意図を把握し、ビジョンエージェントがカメラ映像を基に対象物の3次元座標を分析して制御シナリオを生成、ロボット制御エージェントがそのシナリオに沿って高精度に動作することで、各エージェントの連携による協調制御を実現すると説明した。
イ・ジュギョン博士は「地域の中小・中堅企業は、コスト負担や人材不足を背景にAI導入をためらうケースが多い」としたうえで、「今回の技術は、既存の製造ラインを大規模な投資を伴わずにスマート化できるソリューションだ。技術移転を通じて地域製造業の競争力向上に貢献したい」と述べた。
今後、KERIと国立昌原大学は、今回の融合研究に参加した学生を地域産業で即戦力となる高度AI人材として育成する方針だ。人口減少や製造業の競争力低下といった課題の解決につながる好循環の構築を目指す。