写真=Teslaの電動トラック「Semi」

今週のモビリティ業界では、Teslaを巡る動きが相次いだ。電動トラック「Semi」は発表から9年を経て量産段階に入り、完全自動運転(FSD)の累計走行距離は100億マイルを突破した。TeslaがEVメーカーからAI・ロボティクス企業へと軸足を移しつつある構図が、あらためて鮮明になった。

その一方で、ロボタクシー計画の不透明感やハードウェア世代交代を巡る懸念もくすぶる。既存の完成車メーカーでは、GMによる次世代電動ピックアップの開発中断や、ソニー・ホンダのEV事業撤退が伝えられるなど、攻勢と後退が交錯した1週間となった。

Teslaの電動セミトラック「Semi」は、2017年の公開から9年を経て本格量産に入った。まずは短距離物流から展開し、その後は長距離輸送へ広げる戦略で、内燃機関が主流の米トラック市場に変化を促す最初のシグナルと受け止められている。今週の関連記事の中でも、特に関心を集めたテーマの一つだった。

FSDの累計走行距離も100億マイルを超えた。実走行データの蓄積が進んだことで、安全性検証の規模そのものが変わりつつあるとの見方が業界で広がっている。Teslaはこれを根拠に、完全自動運転の実用化が想定より早まる可能性があると強調している。

自動運転戦略でも踏み込んだ姿勢を示した。Teslaは、次世代スポーツカー「Roadster」を除く全車種で自動運転化を進める方針を公式化した。将来的には、人がハンドルを握る場面そのものを例外にしていく構想で、業界の注目を集めている。

EVの耐久性に関する前向きなデータも示された。バッテリー性能に関する分析では、5年後も航続距離が初期比95%の水準を維持するとの見通しが示され、EVの長期保有に対する消費者の不安を和らげる材料として注目されている。

TeslaがAI・ロボティクスへ投資の重点を移していることも、今週の複数の話題から確認された。人型ロボット「Optimus」は7〜8月に生産を開始する予定で、既存のModel SとModel Xの生産ラインをロボット生産に転用する計画だ。2026年の設備投資は250億ドル(約3兆7500億円)へ拡大し、そのかなりの部分をAIインフラとロボティクスに振り向けるとしている。

韓国では、SoCarがTesla車両をカーシェアリングに導入し、サブスクリプション事業拡大の起点とする戦略を明らかにした。

EVシフトを巡っては、世界の完成車メーカーの戦略の違いも鮮明になった。GMは、計画していた次世代電動ピックアップトラックと電動SUVの開発を無期限で中断すると公表した。バッテリーコストと需要の不確実性を理由に、内燃機関中心のポートフォリオへ回帰する構えだ。ソニー・ホンダの合弁会社がEV事業から撤退するとの報道もあった。

一方、Volvoは電動SUV「EX60」の量産体制に入り、年間4万台の生産目標を打ち出した。欧州勢が選択と集中を進める一方で、米国・日本勢には大規模な見直しの動きも出ている。中国市場では、地場EVブランドの台頭を背景に、BMWやBuickが若年層から「親世代の車」と受け止められ、存在感を急速に失っているとの調査結果も出た。BYDは1000馬力級の電動スーパーカー「デンザZ」を公開し、TeslaのRoadster不在の市場を狙う構えだ。

Tesla以外でも、モビリティ分野では複数の動きが注目を集めた。運転席を持たないレベル4自動運転の電動トラック「ハンブル・ホーラー」が登場し、自動運転商用車の新たな方向性を示した。米レンタカー市場では、燃料費負担を抑えたい需要を背景にEVの予約が前年同期比25%増加した。新車販売の伸び悩みが続く一方で、米国の急速充電ポート数は7万基を突破。Uberも充電インフラの独自整備に乗り出し、EVエコシステムでの存在感を強めている。

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