米国防総省が、非機密ネットワーク上でAIエージェントの導入を急速に広げている。米国のTechRadarが4日(現地時間)に報じたところによると、同省は「GenAI.mil」プラットフォームでGoogle Geminiの「Agent Designer」を活用し、5週間弱で10万3000超のAIエージェントを作成した。現在も週2万超のペースで新規作成が続いているという。
週当たりの実行回数は約18万回に達し、1日平均では約2万5000回となる。ここでいうセッションは、利用者がエージェントを1回実行したケースを指す。
主な用途は、事後報告書のドラフト作成、参謀向けの公式文書作成、画像分析、財務・戦略文書のレビューなど、反復的な業務の自動化だ。現場部門の職員は、高度なプログラミング知識がなくても、非機密ネットワーク上で必要なツールを直接作成し、日常業務に活用している。
国防総省で情報分野を担当する副最高デジタル・AI責任者のロバート・マルパス氏は、INSA春季シンポジウムで「省内の誰もが、自らの業務文脈に合わせた高度なAIを作成し、活用できる」と述べた。
同システムは「影響レベル5」の運用承認を取得しており、定められたセキュリティと監督の枠組みの下で、非機密ネットワーク上で稼働している。一方で、自動化ツールの拡大ペースに懸念も出ている。ペンタゴンの外では、統制が不十分なエージェントがシステムを削除したり、サービスを妨害したり、明確な人間の承認なしに動作したりした事例があるとされる。
それでも国防総省幹部は、技術導入の速度をこれ以上落とすのは難しいとの認識を示している。首席副最高デジタル・AI責任者代行のアンドリュー・メイプス氏は、AIによって技術変化のスピードがさらに加速しているとして、軍への新技術導入に5~10年を要してはならないと語った。
今回の動きは、軍内部の利用者がAIツールを自ら作成し、短期間で実務に展開する流れが急速に広がっていることを示している。セキュリティ承認の範囲内で大規模運用が進んでいる点も、防衛分野におけるAI導入の手法が変わりつつあることを浮き彫りにしている。