英銀NatWest(写真=Shutterstock)

英銀NatWestは、ChatGPT上で住宅購入や住宅ローンに関する案内の提供を始めた。利用者は借入可能額の試算や金利の確認を行え、その後の面談予約やデジタル申請はNatWestのチャネルを通じて進められる。

フィンテックメディアのFINEWS Asiaによると、NatWestは4月30日、RightmoveやMoneySuperMarketなどとともにChatGPTのアプリストアに登録された。これにより、同行の顧客に限らず、口座を持たない利用者もChatGPT上で住宅ローン関連の情報を把握できるようになった。

利用者はChatGPTからNatWestのAPIを呼び出し、住宅ローンに関する案内を受けられる。借入可能額の試算に加え、頭金の条件や利用者の状況に応じた住宅ローン金利の確認にも対応する。

情報提供にとどまらない点も特徴だ。利用者が次の手続きに進む場合はNatWestのチャネルに移り、住宅ローン担当者との面談予約やデジタル申請を進められる。

NatWest Groupでリテール部門のCEOを務めるソランジュ・チェンバレン氏は、住宅購入は重要な金融上の意思決定であり、住宅ローンの初期計画について対話が行われる場であれば、どこでも支援したいと説明した。信頼できる同行の案内をChatGPTに直接組み込むことで、利用者がより個別化された形で選択肢を検討しやすくなるとしている。

今回の取り組みは、NatWestとOpenAIの戦略的提携の一環でもある。NatWestは昨年、英国で初めてOpenAIと戦略的パートナーシップを締結した。これによりOpenAIの全製品群を利用できる体制を整え、今後はツールへの早期アクセスやカスタムコンサルティング、経営陣向けサービスも受けるとしている。

NatWestはChatGPTを、銀行外の新たな顧客接点として活用する考えだ。既存顧客だけでなく、非顧客もChatGPT上で住宅購入に関する初期検討を始められる。利用者は質問や試算を通じて条件感を把握し、その後NatWestのチャネルで面談予約や申請につなげる流れとなる。

NatWestがChatGPTのアプリストアに直接参加した点も注目される。不動産プラットフォームや価格比較サービスが集まる場に銀行が加わることで、住宅購入時の情報収集と金融相談が単一プラットフォーム上で接続され始めているためだ。チェンバレン氏は、消費者により多くの選択肢を提供する方法だとしている。

一方、金融商品がチャットボット上で扱われることで、案内できる範囲や責任の所在は一段と重要になる。住宅ローンは金利や返済期間、個人の信用力、頭金の規模によって条件が大きく変わるため、ChatGPT上での初期案内と、実際の審査・契約の段階を明確に切り分ける必要がある。

今回の事例は、銀行が生成AIを単なる業務支援ツールではなく、顧客獲得チャネルとして活用し始めた動きとしても注目される。今後、金融機関がChatGPTのような対話型プラットフォーム上で、商品探索から面談予約、申請までをつなぐサービスを広げるかが焦点になりそうだ。

キーワード

#NatWest #ChatGPT #OpenAI #住宅ローン #Rightmove #MoneySuperMarket #API #生成AI
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.