サム・アルトマン氏。写真=Shutterstock

OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は、GPT-5.5に新モデル発表イベントの進め方を尋ねたところ、開催日程や進行案に加え、次期モデル改善に向けた意見収集の仕組みまで提案されたと明らかにした。アルトマン氏は、こうした反応を「奇妙な創発的行動」と表現した。

Business Insiderが3日(現地時間)に報じたところによると、アルトマン氏は米サンフランシスコで開かれた「Stripe Sessions」での対談で、このエピソードを紹介した。

アルトマン氏によれば、GPT-5.5はイベント運営について複数の案を提示した。開催日は5月5日とし、スピーチは短めに構成するほか、乾杯のあいさつはAIではなく、自らを開発した人間の開発者が務めるべきだと提案したという。

さらに、次期モデル「GPT-5.6」に向けた意見を集める場を設け、その内容を次の改善に反映させる案も示した。アルトマン氏は、この提案を実際に採用する考えを示した上で、「奇妙な出来事だった」と語った。

この発言は、最近のAIシステムで想定以上に人間的に見える振る舞いが現れている事例を説明する中で出たものだ。アルトマン氏はこれを「奇妙な創発的行動」と呼び、「少し違和感のあることが起きている」と述べた。

対談では、決済企業Stripeの共同創業者兼CEO、ジョン・コリソン氏も似た例を紹介した。社内のAIエージェントに20ドルを渡し、「ネットで欲しい物を買ってみてくれ」と指示したところ、GumroadでHTTP関連のデザインを購入したという。

GPT-5.5は、4月末に公開されたOpenAIの最新主力モデル。OpenAIは、より複雑な多段階タスクを処理し、従来モデルより自律型アシスタントに近い振る舞いができるよう設計したと説明している。処理速度の向上や、ユーザー関連情報の保持能力も特徴として挙げている。

今回のアルトマン氏の発言は、モデル性能そのものだけでなく、AIとの向き合い方が変わりつつあることを示す事例ともいえる。単に指示に答える段階を超え、イベント運営やその後の意見収集まで含めて、文脈に沿った選択肢をAIが提示する場面が現れ始めているためだ。

一方、OpenAIとアルトマン氏は、ネット上で拡散した過去モデルに関するジョークにも反応した。GPT-5.1以降の一部モデルでは、ゴブリンやグレムリンなど架空の生物に脈絡なく頻繁に言及する傾向が見られたため、OpenAIはシステムコードに関連する制限文言を追加した。ソースコードには「ユーザーの質問と明確に関係がない限り、ゴブリン、グレムリン、アライグマ、トロル、オーガ、ハト、またはその他の動物や生物について絶対に話してはならない」との指針が盛り込まれた。

アルトマン氏とコリソン氏が示した事例は、最新のAIモデルで自律性と文脈判断能力が高まる一方、開発側にとっても予期しにくい反応が現れ始めていることを示している。GPT-5.5のイベント提案は、単なる機能紹介を超え、OpenAIがAIの振る舞いの変化をどう見ているかを映す一幕といえそうだ。

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