Microsoftは4月30日(現地時間)、Wordに法務向けAIエージェント「Legal Agent」を追加したと発表した。契約書レビューや交渉に伴う定型業務を自動化し、法務担当者がより重要な判断に集中できるようにする。
Legal Agentは、一般的なAIモデルのように指示に応答するだけでなく、法務実務を踏まえた構造化ワークフローに沿って動作するのが特徴だ。社内プレイブックに基づき、契約条項を順にチェックする。
主な機能は、契約書全体の分析、特定条項の精査、バージョン間の差分の比較など。これらを通じて、リスク要因や義務事項を抽出できる。修正が必要な内容を指示すると、関連条項全体にわたり、変更履歴を付けた交渉準備済みのレッドラインを生成する。
既に変更履歴を含む文書でも、既存の修正と新たな提案を区別しながら、交渉履歴を維持できるという。加えて、社内プレイブックに合致しない条項を検出し、修正案を提示する機能も備える。提案内容は案件ごと、または文書全体に一括適用できる。
Legal Agentには、Word文書の構造を理解するレッドライン処理エンジンを搭載した。Microsoftによると、文書内の書式やリスト、表、修正履歴を維持したまま、Microsoft 365の文書形式をAIが処理可能な形式に変換できるという。
また同社は、Legal Agentが大規模言語モデル(LLM)だけで修正案を生成するのではなく、決定論的な処理も組み合わせている点を強調した。これにより、複雑な契約書処理の信頼性を高めるとともに、応答速度の向上とコスト低減につなげたとしている。
Legal Agentの提案には、すべて原文の出典引用が付くため、レビュー担当者がその場で確認できる。現時点では米国で、Windowsデスクトップ版WordのFrontier Program経由で提供する。Copilotのエージェント用ドロップダウンメニューから直接利用でき、追加インストールは不要だ。