12・3非常戒厳が宣言された夜、軍メディアは機能を停止した。その現場を目撃した元『国防日報』部長が、当時の経験と問題意識をまとめた書籍を刊行した。
ソンギュングァン大学先端国防研究所教授のキ・グクガン氏は4月10日、新刊『国防日報パラドクス――戒厳の夜、制服を着たペンの記録』を出版した。Channel Aの戦略室など、民間メディアでの実務を経て、国防部傘下の国防広報院に所属する『国防日報』で部長を務めた著者が、編集局での1100日に及ぶ経験をまとめた現場記録だ。
同書は、軍機関紙が抱える構造的な矛盾を「三つのパラドクス」として整理する。序列、歪曲、疎通を軸に、官僚主義的な規範が真実を追う記者の本能とどのように衝突するのかを検証。レッドチーム・ジャーナリズムの導入や、軍メディアのガバナンス改革も提言している。
また同書は、旧来のシステムの中で奮闘する「制服を着た記者」へのオマージュであると同時に、国家の公職社会全体が直面するコミュニケーション危機をどう乗り越えるかを問う改革提案としても位置付けられている。
◇『国防日報パラドクス』/キ・グクガン著/348ページ/Bookfunding/1万9800ウォン
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