Tesla Semi(写真=Tesla)

Teslaは4月29日(現地時間)、米ネバダ州の「ギガファクトリー・ネバダ」で電動トラック「Semi」の量産を開始した。新たな量産ラインから初号車を送り出し、度重なる延期を経て商用化が本格段階に入った。

米EVメディアのElectrekによると、TeslaはX(旧Twitter)への投稿を通じ、延べ床面積170万平方フィートの専用工場で量産を始めたと明らかにした。遅れていたプロジェクトが、ようやく本格生産フェーズに移った格好だ。

Semiは2017年の初公開以降、生産計画の延期が繰り返されてきた。今回の量産開始により、試験生産の段階を超え、将来的に年5万台規模を見据えた生産体制づくりが本格化する。

Teslaはこれまで、手作業中心のパイロットラインで得たデータをもとに車両設計を見直す一方、専用生産設備の整備を進めてきた。こうした準備を経て、量産ラインの立ち上げにこぎ着けた。

新設したネバダの生産ラインは、垂直統合を生かした構成が特徴だ。車両の中核となる4680バッテリーセルを同じ複合施設内で生産することで、従来は乗用車向けが優先されていた電池供給の制約を和らげる狙いがある。

量産モデルは、スタンダードレンジ(325マイル、約523km)とロングレンジ(500マイル、約804km)の2モデルを用意する。ロングレンジの価格は約29万ドルで、競争力のある水準を打ち出した。

性能面では、両モデルとも1072馬力の800kWトライモータードライブトレインを搭載する。1.2MW級のメガチャージャーを使えば、約30分で航続距離の60%分を充電できるとしている。

Teslaは、この充電時間がドライバーの休憩時間と重なることで、実運用の効率向上につながると説明する。メガチャージャーステーションはカリフォルニア州オンタリオですでに開設しており、今後は15州で66カ所の充電拠点を整備する計画だ。

技術とインフラの整備を背景に、需要の兆しも見え始めている。カリフォルニア州のクリーントラック・バス向けバウチャープログラムでは、Tesla Semiが申請全体の90%以上に当たる965件を占めた。

DaimlerやVolvoなど既存メーカーが少量出荷にとどまるなか、Teslaは価格と航続距離を前面に、市場の先行獲得を狙う。車両レンタルと充電インフラを組み合わせたサービスモデルなど、関連エコシステムの拡大も並行して進める考えだ。

今後の焦点は、生産拡大とインフラ整備を両立できるかにある。Teslaは年5万台の生産能力を目標に段階的な増産を進める方針で、業界では2026年の納車台数が5000台〜1万5000台になると見込まれている。

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