LG Energy Solutionは4月30日、2026年1〜3月期の連結業績を発表した。売上高は6兆5550億ウォン(約7205億円)、営業損益は2078億ウォンの赤字(約229億円)だった。北米のESS生産拠点拡大に伴う立ち上げ費用が重荷となり、前年同期の営業利益3747億ウォンから赤字に転落した。一方で、46シリーズ円筒形電池の受注は拡大した。
売上高は前年同期比2.5%減だったが、前四半期比では1.2%増えた。前四半期の売上高は6兆4743億ウォンだった。
赤字要因について同社は、北米ESS生産拠点の立ち上げに伴う費用負担に加え、主要顧客向けのEV用パウチ型電池の出荷減少が重なったためと説明した。今期業績に反映された北米の生産補助金は1898億ウォン(約209億円)で、IRA(インフレ抑制法)に基づく税額控除などを含む。
イ・チャンシル副社長兼CFOは「北米を中心にEV需要の弱さが続く中でも、ESS向け電池と円筒形電池の需要を着実に取り込み、売上高は前四半期比で増加した」と述べた。同社は、ESSの売上構成比が全体の20%台半ばまで上昇し、成長基調を維持したとしている。
受注面では、46シリーズ円筒形電池が伸びた。1〜3月期の新規受注は100GWhを超え、累計受注量は440GWh超となった。高エネルギー密度やコスト競争力、熱安定性といった製品面の強みと、自社の生産能力が顧客から評価されたとしている。
生産体制の整備も進める。昨年末にはオチャン・エネルギープラントで「4695」の量産を開始した。年末には米アリゾナ工場で、4680から46120まで複数サイズの量産に入る計画だ。
ESS事業の受注も堅調だった。2月には既存の戦略顧客と北米送電網プロジェクト向けの追加供給契約を結んだ。同プロジェクト向け製品は2028年から供給する予定で、現在量産しているESS向けLFP(リン酸鉄リチウム)電池と比べ、総コストを15%削減できる次世代製品だとしている。
北米での生産拠点確保も加速している。3月にはUltium Cellsのテネシー工場で、既存のEV向けラインの一部をESS向けに転換することを決めた。これにより、北米でのESS生産拠点は計5カ所となる。年末までに50GWh超のESS生産能力を整える方針だ。
同社は外部環境の変化を新たな事業機会としても捉える。米国とイランを巡る情勢によってサプライチェーンの不確実性や原油高の可能性が高まり、各地域でエネルギー自立への需要が拡大していると分析した。再生可能エネルギーと組み合わせたESSが既存電源の代替手段として注目されるほか、EV市場でも高油価やエネルギー需給不安を背景に電動化の必要性が再認識され、需要改善につながるとの見方を示した。
政策面では、米国のOBBBA(超党派予算法案)や欧州のIAAなどを挙げ、サプライチェーンの現地化を促す政策の流れが具体化していると指摘した。現地生産基盤を持つ企業への顧客の選好が強まるとみている。
今後の重点課題としては、キャッシュフローの強化、需要対応力の拡充、サプライチェーンの安定化、製品競争力の向上を掲げた。非中核資産の売却による財源確保、ESSの新規受注拡大、原材料モニタリングの高度化、EV向け急速充電対応の円筒形新製品の年内投入などに取り組む。
キム・ドンミョン社長は「電池産業が新たに定義される変化の局面では、何より重要なのは正しい方向性と機会を見極めることだ」とコメントした。そのうえで「緻密な戦略と実行力を基盤に成長を加速し、未来市場を先取りしていく」と述べた。