ビットコインの現物取引高が足元で80億ドルを下回り、2023年10月以来の低水準に落ち込んだ。価格の上昇期待は根強いものの、現物市場への参加は細っており、流動性低下による値動き拡大への警戒が強まっている。
CoinDeskが29日(現地時間)に報じたところによると、Glassnodeの集計では、ビットコインの1日当たり現物取引高は2月初旬に250億ドル超まで膨らんだ後、減少基調が続いている。ビットコイン価格が4万ドルを下回っていた2023年10月以降で最も低い水準だ。
Glassnodeは、出来高低迷の局面では市場の厚みの縮小と資金フロー変化への感応度上昇が同時に進みやすいと指摘した。ここでいう市場の厚みは、現在値の上下2%付近に並ぶ売買注文の厚さを示す流動性指標を指す。この水準が低下すると、大口注文が数件入るだけでも価格が大きく動きやすくなる。
一方、オプション市場はこうしたボラティリティ上昇の可能性を十分に織り込んでいない。ビットコインの今後30日間の予想変動率を示すVolmexのBVIV指数は年率換算で42%を下回り、直近3カ月で最低水準となった。
市場の関心は、この日に予定されているFRBの政策金利判断に向かっている。据え置き観測が優勢だが、政策声明でエネルギー市場の混乱やガソリン価格上昇をどう扱うかが焦点となる。成長とインフレの双方に警戒感を示すタカ派色の強いメッセージが出れば、高金利の長期化や追加利上げの可能性が意識され、リスク資産の上値を抑える可能性があるという。
Marexのアナリストは、ビットコインが7万7000ドル近辺(約1155万円)で推移するなか、FRBの判断を前に方向感を欠く展開になっているとみている。表面上は落ち着いて見えるものの、投資家のポジションは慎重で、市場流動性は一段と薄くなったと分析した。次の相場変動のきっかけは、暗号資産固有の材料よりもマクロ要因となる可能性が大きいとしている。
エネルギー要因も相場の重荷として意識されている。Marexは、エネルギー価格の先行き不透明感が強まるほど、リスク資産は関連ニュースに敏感に反応しやすくなると指摘した。
ビットコインは足元で7万7800ドル近辺(約1167万円)と、24時間ベースで1%超上昇。イーサリアム、ソラナ、XRPも同程度の上昇率となった。ドル指数は100を下回る水準で推移し、米10年債と2年債の利回りは緩やかな上昇基調が続いた。