ビットコイン(BTC)相場を巡り、底入れはまだ確認できておらず、年内の高値更新も簡単ではないとの見方が出ている。CoinDeskが4月28日(現地時間)に報じた。
同報道によると、初期のビットコイン投資家で、「ビットコイン・スーパーサイクル」の著者として知られるマイケル・ターピン氏は、BTCが今年10月ごろに5万7000ドル(約855万円)まで下落し、その水準で底を付ける可能性があると指摘した。
ターピン氏は、現在の市場をなお弱気局面にあるとみている。BTCが再び10万ドル(約1500万円)を上回るまでは、本格的な強気相場への転換を判断するのは難しく、そうした下支えを示す明確なシグナルもまだ見えていないという。
足元では反発局面もみられるが、市場構造そのものは依然として弱いとの認識も示した。
こうした見方は、足元の市場で広がるシナリオとはやや異なる。多くのアナリストは、2月に付けた6万ドル(約900万円)近辺の安値が、今回の調整局面における底だったとみている。
その背景には、ビットコイン現物ETFへの資金流入が再び増えていることに加え、中東情勢の緊迫や原油高が続くなかでも、BTC価格が比較的底堅く推移したことがある。
一方、ターピン氏は足元の値動きについて、過去のサイクル終盤で繰り返されてきた調整パターンに近いと分析した。BTCは直近で心理的節目となる8万ドル(約1200万円)を明確に上抜けられず、高止まりする原油価格やマクロ経済を巡る不透明感が重荷になっているとした。
さらに、市場が最終的なセリングクライマックスに入るまで、高値を切り下げる展開が続く可能性があるともみている。
追加下落の可能性を指摘する声は、ターピン氏だけではない。市場アナリストでAderunum共同創業者のジェイソン・フェルナンデス氏も、全面的な投げ売り局面がまだ確認されていない以上、市場の底を断定するのは難しいと述べた。
同氏は、持続的な底は、過度なレバレッジの解消とマクロ不透明感の後退が同時に進む局面で形成されることが多いと説明した。
マクロ環境も逆風として意識されている。フェルナンデス氏は、流動性環境はなお引き締め気味で、リスク資産市場全体が高金利の長期化に適応する過程にあると分析した。
利下げ期待が明確になるか、暗号資産市場全体で大規模な清算が起きるまでは、下方向への値動きが続く可能性があるとの見方だ。
もっとも、年内の高値更新の可能性を完全に否定する声ばかりではない。Quantum Economics創業者のマティ・グリーンスパン氏は、ターピン氏の見通しは悲観的すぎるとの認識を示した。
機関投資家マネーの流入拡大や市場の関心の高まりを踏まえれば、年内にも一段高となる余地があり、高値更新の可能性も十分残されているとみている。
市場心理を巡る解釈も分かれている。一部アナリストは、現在の投資家心理は、過去の主要な底入れ局面でみられたような極端な恐怖水準にはまだ達していないと指摘する。
そのため、市場が安定した底を形成する前に、もう一段の変動が起きる可能性があるとの受け止めも出ている。
市場の最大の焦点は、2月の6万ドル近辺の安値が今回サイクルの真の底だったのかどうかだ。ターピン氏は10月に5万7000ドルまで下落する可能性を示し、ほかのアナリストも時期の見方こそ異なるものの、現時点で底打ちを断言するのは尚早だとしている。