写真=9to5Mac

iPhoneの背面に磁力で装着して使うAI音声入力アクセサリー「SpeakOn」が注目を集めている。音声入力後の文章補正に加え、アプリごとに文体を切り替えられる点が特徴だ。翻訳機能も備える一方、騒音下での認識精度やバッテリー持続時間、サブスクリプション型の料金体系には課題が残った。

米ITメディアの9to5Macは4月28日(現地時間)、SpeakOnの実機レビューを公開した。単なる音声入力デバイスではなく、AIによる文章の補正や翻訳まで担うiPhone向け周辺機器として評価している。

SpeakOnは、iPhone背面に取り付ける小型アクセサリー。Bluetoothで接続し、iOSのキーボードとして登録すれば、物理ボタンの操作でSMSやメール、メモなどに音声入力できる。

中核となるのは、AIによる文章の補正機能だ。話し言葉に含まれがちな繰り返しや冗長な表現を抑え、句読点も自動で補う。同社は「世界初のiPhone向け音声タイピング機器」をうたっている。

特徴的な機能として「Attune」も搭載する。カジュアル、プロフェッショナル、フォーマルといった文体を選べるほか、アプリごとに異なるトーンを設定できる。例えば、業務メールではフォーマル、メッセンジャーではくだけた文体に切り替えるといった使い方を想定している。

翻訳機能も強みの一つだ。音声入力した内容を別の言語へ自然な文章として変換する専用インタフェースを備える。英語、日本語、中国語、スペイン語、フランス語などに対応し、テストでは、整っていない話し言葉でも自然な訳文に整えられたという。

本体の仕上がりもおおむね高く評価された。重量は約25gと軽く、磁力による固定も安定していた。物理ボタンでマイクをオンにする操作も直感的だとされた。

一方で、実環境では弱点も見えた。静かな室内では高い認識精度を示したが、周囲が騒がしい環境では、口元に近づけないと安定して認識できない場面があった。iPhoneの背面に装着して使う仕様だけに、利用シーンによっては使いにくさにつながる可能性がある。

バッテリーも課題として挙がった。同社は最大20時間の録音、最大8.5日間の待機時間をうたうが、テストでは未使用時でも想定より電池の減りが早いと指摘された。一方、充電速度は比較的速く、発売初期から複数回のファームウェアアップデートが実施されている点は前向きな材料とされた。

プライバシー保護も焦点の一つだ。同社はSOC 2 Type IIとHIPAAの認証取得を明らかにした一方、利用しているAIモデルの詳細は公開していない。ユーザーデータと録音内容は暗号化し、明示的な同意なしにAI学習へ利用しないと説明している。

価格面も導入のハードルになりそうだ。本体価格は129ドル。ただし、より多くの利用量や中核となるAI機能を使うには、別途Proサブスクリプションの契約が必要となる。料金は月額12ドルまたは年額108ドルだ。

業界では、SpeakOnについて、音声入力にAIによる文章補正と翻訳を組み合わせたモバイル周辺機器の可能性を示したとの見方がある。その一方で、騒音環境への対応、電力効率、継続課金の負担をどこまで改善できるかが普及のカギになりそうだ。

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