Rippleの事業拡大が続く一方で、その成果がXRPの価格や実需に十分反映されていないとの指摘が強まっている。投資家の関心は、企業向け契約の積み上げよりも、XRPおよびXRP Ledger(XRPL)の利用拡大がどこまで進むかに向かっている。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」は4月28日、Royal Peak Capitalの最高投資責任者(CIO)アーサー氏の見解を伝えた。同氏は、Rippleが韓国の銀行との提携や財務関連取引の拡大を通じてグローバル事業を広げている一方、XRP自体には同様の進展が見えにくいと指摘した。
アーサー氏は、Rippleの企業向け事業については「非常にうまくいっている」と評価した。ただ、XRP保有者が期待しているのは企業契約の拡大そのものではなく、トークンの採用拡大だと述べた。
そのうえで、XRPやXRPLを軸とする実需、取引量、統合拡大が明確に進んでいることを示す材料は、なお限られているとの見方を示した。
こうした問題意識は、足元の価格動向とも重なる。XRPは2025年半ば以降に60%超下落し、足元では1.38ドル(約207円)近辺で推移しているが、明確な反発材料は乏しい。
Rippleが大型契約を相次ぎ獲得してもトークン価格が追随しないことで、企業向け事業の成果がXRP価値にどこまで直接波及するのか、投資家の疑問は強まっている。
市場の注目は「XRPL Las Vegas 2026」に移りつつある。アーサー氏は、このイベントが転機になる可能性があるとし、Rippleの企業向け製品ではなく、XRPの利用拡大に直結する発表を期待すると述べた。
また、今後数年はRippleがXRPLへの注力を一段と強める必要があるとも主張した。
これに対し、暗号資産分野の弁護士ビル・モーガン氏は、Rippleの事業成長とXRP価格の乖離は今に始まった現象ではないと反論した。同氏によると、XRP価格は歴史的にRippleの主要発表と強い相関を示してこなかった。
すでに終結した米証券取引委員会(SEC)とRippleの訴訟でも、Rippleの発表がXRP価格の上昇を促したとする規制当局の主張は、裁判所判断の決定打にはならなかったという。
この見方は、XRPがRipple関連のニュースよりも、ビットコインの値動きに強く連動しやすいという市場の認識とも重なる。
批判的な見方も出ている。Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は先週、Rippleエコシステムで生み出された価値の多くは企業側に帰属し、トークン保有者には十分還元されていないと主張した。
同氏は、XRPにはステーキングや収益分配のように、直接的な買い需要や長期保有インセンティブを生む仕組みがないとの認識も示した。さらに、XRP保有者はRippleの事業、資産、利益に対する法的権利を持たないとも述べた。
一方、Ripple側は、こうした乖離論は誇張されているとの立場だ。Rippleのマルクス・インファンガー上級副社長は、「XRP価格と基礎的な需要の間に実質的な乖離はない」と述べた。
同氏は、XRPのユースケースは継続的に拡大しており、決済、担保移転、XRPLベースのRWAトークン化などで活用が広がっていると説明した。トークン化の規模も、1億~2億ドル(約150億~300億円)から20億ドル(約3000億円)超へ拡大したと明らかにした。
さらに、XRPの現物ETFは流動性と市場効率を高める要因になり得ると言及した。RLUSDなどのステーブルコインについても、XRPと競合するのではなく、エコシステム全体の流動性とユースケースを広げる補完的な存在だと評価した。
日本などで進むRippleの事業拡大についても、規制との親和性を保ちながら実利用重視で暗号資産の採用を広げる流れの一環だと付け加えた。
結局の論点は、Rippleの成長そのものではなく、その成果がXRPにどこまで直接反映されるかにある。Rippleは銀行との提携や企業取引を拡大しているが、XRP保有者はトークンの実利用、取引指標、価格動向の面で、より明確な進展を求めている。
「XRPL Las Vegas 2026」が、企業成長とトークン価値の間にあるこのギャップを埋める契機となるかが、今後の焦点となりそうだ。