Cardano(ADA)創業者のチャールズ・ホスキンソン氏が、RippleによるXRPの扱いに改めて疑問を呈した。XRP売却で得た収益の一部を使い、市場でXRPを再購入する仕組みを導入すべきだとの考えを示している。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」によると、ホスキンソン氏は4月28日(現地時間)、ポール・バロン氏のポッドキャストに出演し、こうした枠組みが実現すればXRPは投資対象として一段と魅力を増す可能性があると語った。
発言のきっかけとなったのは、米国でCLARITY法案が成立した場合、RippleがXRPのユーティリティ拡大に向けてどのような施策を打ち出し得るか、という議論だ。選択肢としては、XRPのバイバックや売上連動型のステーキングが取り沙汰された。
これに対しホスキンソン氏は、Rippleがそのようなバイバック制度を採用する可能性は低いと指摘。今後もXRPの売却で数十億ドル規模の収益を上げ、その資金を企業側の資産取得に振り向ける公算が大きいとの見方を示した。
同氏は、XRP保有者は保有そのものから実質的な利益を得られていないと批判した。Rippleは10年以上にわたりXRPを販売してきた一方で、財務上の成果はRLUSDなど自社プロダクトの内部に蓄積してきたと主張している。
ポール・バロン氏が、RippleはXRP販売による資金をXRP Ledgerのエコシステムに再投資していると述べたのに対し、ホスキンソン氏はそれでは不十分だと反論した。事業収益がXRPと直接結び付く構造でなければならない、というのが同氏の立場だ。
具体例として同氏はHyperliquidを挙げ、バイバックがトークン価値と投資妙味の向上に寄与したと評価した。そのうえで、Rippleが収益の20〜30%をXRPの再購入に充てれば、XRPと同社の関係はより魅力的なものになると述べた。
もっとも、現時点のRippleには、その富をXRP保有者と分かち合う財務上・法務上の動機はないとも付け加えた。
ホスキンソン氏は、この構図をBlock.OneとEOSの事例にもなぞらえた。Block.Oneが40億ドルを調達しながら、その後はEOS保有者に対する責任を負わないとの姿勢を示した点に触れ、企業価値の拡大とトークン保有者の利益が切り離される仕組みを問題視した。
別のインタビューでは、Rippleが立ち上げ初期にXRP総供給量の70〜80%を保有し、資産に対して極めて大きな支配力を持っていたとも主張していたという。
ただ、Rippleが市場でXRPをまったく買い入れてこなかったわけではない。少なくとも2020年以降、同社は二次市場でXRPを購入してきたと公表している。
Rippleによると、こうした購入はOn-Demand Liquidity(ODL)サービスの運営支援と、市場流動性の健全な維持が目的だ。
実際の開示値をみると、2022年1〜3月期のXRP購入額は10億8100万ドルで、純売却額は2億7327万ドルだった。
2022年4〜6月期は購入額が17億1700万ドルに増え、ODL関連の販売額は約21億2600万ドル、純売却額は4億890万ドルとなった。
2023年1〜3月期の購入額は25億6900万ドル、純売却額は3億6106万ドルとされる。
Rippleは一連の買い入れについて、決済事業に必要なXRPの供給を安定的に確保し、市場への影響を抑えるための措置だと説明してきた。ただ、一般企業の自社株買いのように流通量を減らしてトークン価値の押し上げを狙ったり、保有者に直接利益を還元したりするものではない。
ホスキンソン氏は結局のところ、XRPを通じて生まれた事業上の果実をRippleが企業内部に蓄積しているとみている。XRP保有者が実質的に得ているのは、トークン自体とネットワークへのアクセスにとどまるとの主張だ。
さらに同氏は、この構造が、中央集権的な企業が経済価値の大半を吸収し、トークン保有者が企業収益を直接共有できない「Tether型モデル」に似ているとも比較した。
論点は、RippleがXRPエコシステムに資金を再投下していることと、その資金がトークン保有者に直接つながる還元構造にはなっていないことの間にある。XRPの活用拡大とは別に、RippleとXRP保有者の経済的利害をどう結び付けるのかが、改めて焦点として浮上している。