Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は、同ネットワークの成長が遅いとの指摘について、分散化とセキュリティを優先した結果だとの認識を示した。短期的な拡大よりも、長期的な安定性と信頼性を重視してきたという。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicによると、ホスキンソン氏は28日(米国時間)のライブ配信で、Cardanoはブロックチェーンの「第一原理」に基づいて構築されたエコシステムだと説明した。その上で、開発スピードより構造の健全性を優先してきたと述べ、「長期的にはその判断の正しさが示される」と語った。
競合ネットワークについては、高速な取引処理やユーザー獲得を進める過程で「近道」を選んできたと批判した。一部チェーンはスケーラビリティや開発者の流入を得る一方で、サービス停止や再開、相対的に脆弱なセキュリティ構造といった問題を抱えていると指摘した。
こうした選択は短期的には成果につながる可能性があるものの、時間の経過とともに、より大きな構造的リスクを招きかねないと警告した。
Cardanoは、研究主導の開発戦略を軸に成長してきた。査読を踏まえた開発プロセス、分散型ガバナンス、セキュリティ重視のコンセンサス設計を通じて、ネットワークの信頼性と耐障害性の強化を進めてきたという。
その結果、EthereumやSolanaといった競合チェーンと比べると、リリースやアップグレードのペースは遅い。ただ、ホスキンソン氏は、これは意図的な判断だと強調した。
同氏は、コミュニティ内部でも「Cardanoは最終的にその正しさを証明する」との見方が維持されていると説明した。競合チェーンほど幅広い採用には至っていないものの、慎重なアプローチによって大規模なハッキングや長時間のネットワーク停止を回避してきた点も強みとして挙げた。
市場環境を巡っては、競合チェーンの動向以上に、コミュニティの結束が重要だとの見方を示した。一部のコミュニティメンバーの間では、EthereumやSolanaがCardanoの存続を脅かす可能性を懸念する声もあるが、同氏は両エコシステムがCardanoを「殺す」ことはできないと述べた。
むしろ将来の脅威として挙げたのは、外部との競争ではなく、内部対立やコミュニティの求心力低下、プロジェクトに対する信頼の揺らぎだ。
ホスキンソン氏は、Cardanoが長期成長を続けるための技術的基盤はすでに整っているとの見方も示した。今後の課題は、コミュニティがネットワークのビジョンと原則を守り続けられるかどうかにあるという。
Cardanoの競争力は、単純なユーザー数や市場シェアだけでは測れない。分散化とセキュリティを軸とする戦略を維持しながら、コミュニティの結束をどこまで保てるかが今後を左右するとのメッセージだ。
今回の発言は、Cardanoが競合チェーンに比べて採用拡大の面で後れを取っているとの見方への反論と受け止められる。ホスキンソン氏は、急成長よりも分散化とセキュリティを優先したネットワークこそ、業界の成熟が進むほど優位性を発揮するとの考えを示した。
一方で、その長期戦略の妥当性を示すには、外部との競争に対応するだけでなく、コミュニティ内の信頼と結束を維持するという課題にも向き合う必要がある。