日銀の金利据え置き決定を受け、市場では追加利上げ観測が強まった。写真=Shutterstock

日本銀行(日銀)内で追加利上げを支持する見方が強まり、市場では6月の利上げ観測が広がっている。円高期待が高まるなか、ビットコインなどリスク資産市場にも警戒感が出ている。

ブロックチェーンメディアのCoinDeskによると、日銀は28日、政策金利を年0.75%で据え置いた。一方で、政策委員9人のうち3人が即時の利上げを主張した。ウエダ・カズオ総裁体制下では、最も大きな意見対立となった。

市場はこれをタカ派色の強いシグナルと受け止めた。金融市場では会合後、6月16日の利上げ確率を74%まで織り込む動きがみられた。

日銀は2026年度のコアインフレ見通しを2.8%へ引き上げた。一方、成長率見通しは従来の1%から0.5%へ引き下げた。

背景には、足元の国際エネルギー価格の上昇もある。ホルムズ海峡を巡る緊張を受けてエネルギー価格が上がり、輸入依存度の高い日本では物価押し上げ要因になっているためだ。

為替市場もすぐに反応した。円は上昇し、ドル/円は158.95円まで下落した。主要通貨に対しても円はおおむね0.5%上昇しており、利上げ期待の高まりが円買いにつながる構図が鮮明になった。

暗号資産市場では、ビットコインの円建て価格が軟調に推移した。国内取引所bitFlyerのBTC/JPYは1228万円まで下落し、約0.6%安となった。

市場参加者が円相場の動向を注視するのは、円がグローバルな資金調達通貨として使われてきたためだ。日本の低金利を利用して円を借り、米国株や暗号資産など高収益資産に投資する「円キャリートレード」はその代表例とされる。

円高が続けば、こうした取引が巻き戻される可能性がある。実際、昨年8月には円建てポジションの清算懸念が強まり、ビットコインは1週間で6万5000ドルから5万ドル近辺まで急落した。

もっとも、円キャリートレード解消の兆しはなお明確ではないとの見方もある。日本は2月、米国債保有を140億ドル増やし、総額は1兆2400億ドルに拡大した。市場では、日本の資金が引き続き海外の高収益資産を選好しているとの受け止めも出ている。市場の関心は、日銀が6月に実際に利上げに踏み切るかどうか、そして円高が持続するかに集まっている。

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