NHN Doorayは4月28日、AIエージェントのラインアップを発表し、企業向けコラボレーション市場の開拓を加速する方針を明らかにした。Doorayに蓄積した業務データを基に、実際の業務を処理する「Dooray AIエージェント」を前面に打ち出し、公共・エンタープライズ・金融分野での展開を強化する。
同社は同日、NHNのパンギョ社屋「プレイミュージアム」で記者懇談会を開き、Dooray AIエージェントを紹介した。あわせて、公共・エンタープライズ・金融の各分野での事業成果も説明した。
同社によると、Dooray AIエージェントはDooray AIに新たに搭載した機能群。単なる対話型アシスタントではなく、Dooray内に蓄積された業務データを直接活用し、実際の業務まで遂行するエージェントとして位置付ける。
実際の業務空間でユーザーとやり取りし、通常のユーザーアカウントと同様にメッセンジャーのチャットルームなどへ参加できるのも特徴だ。利用者は質問への回答だけでなく、特定の作業実行まで依頼できるという。
「My Agent」は、メール、カレンダー、個人Wikiなどの情報を統合的に分析して動作するパーソナルAI秘書だ。1日の予定やToDoの要約、重要度や緊急度に応じた優先順位の提案、文書作成、主要メールの要約などを簡単な指示で実行できる。
また、受信メールのうち優先的に確認すべき内容を抽出したり、プロジェクト、メール、Wikiなどに分散した業務情報を集約して優先順位を付けたりすることにも対応する。
「Project Agent」は、特定プロジェクトのタスク、Wiki、カレンダーに蓄積されたデータを基に、質問への回答や必要な操作を実行するプロジェクト向けAIコラボレーションパートナーと位置付ける。
プロジェクト全体のタスク確認、タスク作成、内容修正、コメント追加、Wikiの参照・検索などに対応する。「今日のプロジェクト状況は」「遅延している業務の一覧を出して」といった指示で、期限が迫るタスクや遅延案件、主要イシューを迅速に把握できるとしている。
「Extension Agent」は、Doorayと連携していない社内システムやデータベースを接続するためのエージェントだ。ERPやMESなどを、Doorayが提供するPythonベースのSDKで連携できる。人事システムと連動させた場合は、休暇申請や残業申請、従業員検索などを簡単な指示で実行でき、イントラネット上の複雑な操作を減らせるとしている。
「Built-In Agent」は、法務、会計、規制、セキュリティなどの専門領域データを学習した特化型AI秘書として提供する。利用者は個別開発なしに必要なエージェントを選び、すぐに使い始められる。
このうち、電子公示システム(DART)に特化したエージェントでは、指示を入力するだけで企業情報の分析結果をPDFやHWPX形式で出力できるという。NHN Doorayは、HWPXを主に使う公共部門の生産性向上につながるとみている。
同社はすでに、Woori Financial Groupを含む一部既存顧客を対象にDooray AIエージェントのベータテストを実施した。直近ではMy Agent、Project Agent、Extension Agentの正式提供をエンタープライズ分野で開始しており、今後は公共・金融分野にも順次広げる。Built-In Agentは6月の提供開始を予定している。
懇談会では、SaaS事業の売上高が年率40%で成長している点も強調し、2026年も成長基調が続くとの見通しを示した。キム・チャンヨル代表は「公共市場での首位達成に続き、新たに金融分野へ挑戦している。Dooray AIに続きDooray AIエージェントも投入し、進化を続けている」と述べた。そのうえで「企業が革新的な業務環境のもとで、より重要な価値創出に集中できるよう支援していく」と語った。