金融持株傘下の主要証券5社が、2026年1〜3月期にそろって増益を確保した。国内株式市場の売買活況を背景に委託売買手数料が大きく伸びたほか、WM(ウェルスマネジメント)や運用損益の改善も収益を押し上げた。
金融投資業界によると、1〜3月期の当期純利益が最も大きかったのはNH Investment & Securitiesだった。営業利益は6367億ウォン、当期純利益は4757億ウォン。前年同期比では営業利益が120.3%増、当期純利益が128.5%増となり、四半期ベースで過去最高を更新した。
同社の委託売買関連の手数料収支は3495億ウォンで、前四半期比57.4%増だった。国内株式の1日平均売買代金が66兆8000億ウォンと前四半期比80.5%増えたことが寄与した。国内株式の手数料収益は3097億ウォン、市場シェアは10.7%だった。
KB Securitiesも大幅な増収増益となった。1〜3月期の連結売上高は8兆3509億ウォンで前年同期比179.46%増、営業利益は4531億ウォンで101.73%増、当期純利益は3502億ウォンで92.75%増だった。
同社は、WM、IB、資本市場、ホールセールの各部門がバランスよく成長したとしている。
Shinhan Investmentの1〜3月期の当期純利益は2884億ウォンで、前年同期比167.4%増。営業利益は3864億ウォンで228.5%増、営業収益は7015億ウォンで90.2%増、手数料収益は4074億ウォンで111.7%増だった。
このうち委託手数料は2935億ウォンと216.1%増加した。金融商品関連の手数料収益も283億ウォンで70.5%増えた。運用損益は1623億ウォンと前年同期比269.0%増となり、収益改善に寄与した。一方、IB部門は426億ウォンで24.0%減だった。
Hana Securitiesは、連結ベースで1〜3月期の営業利益が1416億ウォン、当期純利益が1033億ウォンだった。前年同期比では営業利益が47.9%増、純利益が37.1%増。1〜3月期の営業利益は、2025年通期の営業利益1665億ウォンの約85%に相当する。
売上高は8兆6728億ウォンで、前年同期の3兆6491億ウォンから約138%増加した。Hana Securitiesは、WM部門で手数料収益と金融商品収益が拡大し、IB部門では優良案件中心の営業や買収金融の実績が業績改善につながったと説明した。S&T部門では、デリバティブ連動証券の発行とリスク管理に注力したという。
Woori Investmentは、規模では他の金融持株傘下の大手証券に及ばないものの、伸び率の高さが目立った。1〜3月期の純営業収益は701億ウォンで前年同期比75.0%増。非金利利益は414億ウォンと173.3%増え、収益拡大をけん引した。営業利益は166億ウォン、当期純利益は140億ウォンだった。
5社に共通する増益要因は、売買代金の増加だ。株式市場の活況を受けて個人・機関投資家の売買が増え、委託売買手数料の拡大につながった。
なかでもNH Investment & SecuritiesとShinhan Investmentは、委託売買部門の高成長が目立った。KB SecuritiesとHana SecuritiesはWM、IB、資本市場など複数分野で収益が改善した。Woori Investmentも、非金利利益の拡大を通じて収益構造の多様化を進めた。
また、Shinhan Investmentでは運用損益が大きく伸び、NH Investment & Securitiesでも運用関連損益と利ざやが前四半期から改善した。手数料収入の増加に加え、保有資産の運用や市場対応でも収益を確保した形だ。
もっとも、各社の収益構造には違いもある。NH Investment & SecuritiesとKB Securitiesは、利益規模と事業ポートフォリオの両面で大手としての地位を改めて示した。Shinhan Investmentは委託手数料と運用損益の改善が業績を押し上げた一方、IB部門は前年同期を下回った。
Hana Securitiesは1〜3月期だけで2025年通期営業利益に迫る水準を確保し、収益性の改善を印象づけた。Woori Investmentは資本規模こそ相対的に小さいものの、非金利利益の拡大や有償増資を通じて成長基盤の拡充を進めている。
1〜3月期は、金融持株傘下の証券各社が株式市場の好調の恩恵を広く取り込んだ四半期となった。委託売買手数料の増加に加え、金融商品販売や運用損益の改善が利益を下支えした。ただ、売買代金への依存度が高い収益構造は、市場環境次第で業績変動が大きくなる可能性もある。今後は株式市場の動向に加え、IBやWM、運用、資本活用を通じてどこまで安定収益を積み上げられるかが焦点となる。