BIS本部(スイス・バーゼル)。写真=ウィキメディア

国際決済銀行(BIS)は、暗号資産取引所が貸付や利回り商品など銀行に似たサービスを広げながら、伝統的な金融機関に求められる保護措置を欠いたまま運営されているとして、利用者リスクの高まりに警鐘を鳴らした。

CoinDeskが23日(現地時間)に報じたところによると、BISは報告書で、主要な暗号資産取引所が単なる売買の場にとどまらず、銀行、ブローカー、取引所の機能を併せ持つ複合的な暗号資産仲介業者へと変質していると分析した。

なかでも報告書が最大のリスクとして挙げたのが、個人投資家向けの利息商品や利回り商品の拡大だ。こうした商品は暗号資産で収益を得られる貯蓄商品のように見えるが、実態は規制の及びにくいシャドーバンク型の無担保融資に近いと指摘した。

利用者は暗号資産の管理権を手放し、場合によっては所有権自体がプラットフォーム側に移る。取引所はそれらの資産を貸し付けや自己取引、マーケットメイクに活用し、その収益の一部を顧客に還元する仕組みだ。

問題は、この構造が銀行預金に似ていても、預金保険のような保護措置がない点にある。顧客資産がどこでどのように使われているのか見えにくく、損失が発生した場合には、利用者がプラットフォームの支払能力リスクを直接負うことになるという。

報告書は、Celsius NetworkとFTXの破綻を、こうした脆弱性を示す代表例として挙げた。単なる経営不振ではなく、レバレッジ、不透明性、保護措置のない預金類似の約束に支えられた構造そのものが崩れた事例だと位置付けている。

また、2025年10月に暗号資産デリバティブ市場が急落し、約190億ドル規模の強制清算が発生した点にも触れた。BISは、こうした市場構造が連鎖的なショックを短時間で広げ得ることを示したケースだと説明している。

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