AppleがAIとスマートホームを軸に、既存製品群の枠を超える6分野の新ハードウェアを開発していることが分かった。Bloombergのマーク・ガーマン氏の情報として9to5Macが23日(現地時間)に報じたもので、iPhone中心の事業構造から、AI対応ハードウェア群へと軸足を広げる動きとして注目されている。
報道によると、開発が進んでいるのは、AI AirPods、スマートグラス、ペンダント型ウェアラブル、スマートディスプレイ、卓上ロボット、セキュリティカメラの6分野。このうちAI AirPodsは既存製品の機能拡張に近いが、他の5分野はAppleにとって新たなハードカテゴリーに位置付けられる。
なかでも中核とみられているのが、スマートグラスとペンダント型ウェアラブルだ。いずれもiPhoneとの連携を前提に、SiriなどのAI機能を活用し、日常生活でリアルタイムに情報を提示したり、各種操作を補助したりする次世代インターフェースとして開発が進められている。スマートフォンを介した操作中心の利用形態から離れ、より自然にAIへ常時アクセスできる環境の実現を目指すという。
スマートホーム分野への展開も本格化しそうだ。スマートディスプレイは「HomePad」と呼ばれており、早ければ今秋のiPhone 18発表イベントに合わせて披露される可能性があると報じられている。
家庭向けセキュリティカメラは年内投入が見込まれている。両製品とも、Appleが重視してきたプライバシー保護設計にAI機能を組み合わせ、既存の家庭向けIoT機器との差別化を図る見通しだ。
一方、卓上ロボットは6分野の中でも最も長期の案件とされる。当初の投入目標は2027年だったが、技術開発の難しさや製品の完成度によっては2028年へずれ込む可能性もあるという。単なる機器ではなく、AIと機械工学を融合した高度なパーソナルアシスタントとしての役割を担わせる構想だ。
スマートグラスは今年末から2027年初めにかけて発表される可能性が取り沙汰されているものの、市場投入は2027年が有力視されている。ペンダント型ウェアラブルについては、AirPodsやスマートグラスに続く新しい形態のAIデバイスとして、利用スタイルそのものを変える可能性があるとみられている。
今回浮上した6分野は、単なる製品ラインアップの拡充にとどまらない。ウェアラブル3分野とスマートホーム機器を軸に、iPhone依存の構造から脱却し、Appleのエコシステム全体を再設計する戦略転換の一環と位置付けられる。
業界では、このロードマップを、Vision Proのような高性能MR機器に加え、日常使いのAIデバイス市場も取り込む構えと受け止めている。高性能機器と軽量なAI機器を並行して展開し、ユーザーとの接点を段階的に広げる狙いがあるとの見方だ。