Ethereum(ETH)は2300ドル近辺で推移しているが、個人投資家の売りが重しとなり、上値の重い展開が続いている。
ブロックチェーンメディアのCryptoPoliticanが23日(現地時間)に報じたところによると、クジラやBitmineなどの企業は買い増しを続けている一方、個人投資家はBinanceへの入金を増やし、利益確定売りに動いている。こうした需給の差が、Ethereumの上方向へのブレイクを阻んでいるという。
Ethereumは23日、一時2332.55ドルを付けた。市場心理はなお中立圏にあり、フィア&グリード指数は61へ小幅に上昇したものの、明確な強気を示す水準には達していない。
ビットコインが7万8000ドル超で何度か反発を試したのに対し、Ethereumは狭いレンジでのもみ合いにとどまった。週ベースでは一時9%下落する場面もあった。
価格が伸び悩む背景には、市場心理の弱さがある。地政学リスクに加え、ハッキング事案やDeFiに対する信認低下が重なり、Ethereum相場の重しとなった。とりわけKelp DAOのハッキング後に起きたDeFiの流動性ショックが、投資家心理を冷やした。
足元の需給は方向感を欠く。Ethereumは現在、平均実現価格の2307ドル近辺で取引されており、この水準が一部投資家にとって売りが出やすい価格帯になっている。
クジラは保有を続けるか、追加で買い増している一方、個人投資家は売り越しに傾いている。現物市場では2330ドル超に売り注文が並び、狭い価格帯に約3500ETHの売りが積み上がっているため、上値追いは限定されている。
一方、23日時点では2320ドル近辺に買い注文が集まっていた。クジラはこれまで含み損を抱えてきたが、足元ではようやく解消に向かう局面に入りつつあり、急いで売る動きは目立っていないという。
これに対し、個人アドレスの活動とBinanceへの入金は増加した。小幅な反発局面でも個人投資家が利益確定を進め、クジラの買いを相殺する構図になっていることを示している。
取引所の影響も無視できない。個人資金の流入が多いBinanceの現物取引は、Ethereum価格に短期的な影響を及ぼしやすい。一方で、クジラの買い増しは相対取引が中心とみられ、市場価格にすぐ反映されない場合がある。この違いが、足元のボックス圏での値動きを強めている。
デリバティブ市場でも、Ethereumはビットコインに比べて弱い動きが続いた。Coinalyzeによると、未決済建玉(OI)は124億7000万ドルと、直近高値だった140億ドル超から減少した。
ショートポジションの厚さも目立つ。2427ドル近辺には大口のショートが積み上がっており、短期的にショートスクイーズが起きても、強い上昇相場に発展しにくい兆候とみられている。
ロングポジションは相対的に少なく、短期的なロング清算の余地も限られる。清算ヒートマップでは、2200ドル近辺がサポートとして意識されている。
市場シェアもビットコイン優位に傾いた。Ethereumの時価総額シェアは10.1%まで低下し、ビットコインのシェアは58%に回復した。CoinMarketCapベースの相対力指数(RSI)は、Ethereumが49、ビットコインが53だった。