ビットコイン相場は、AIを巡る米中摩擦など外部要因にも反応している。写真=Shutterstock

ビットコイン(BTC)は7万8000ドル台で推移したものの、節目の8万ドル回復には再び届かなかった。AIを巡る米中摩擦の再燃を受け、暗号資産市場ではリスク選好がやや後退したとみられる。

暗号資産メディアのBeInCryptoによると、23日(現地時間)のビットコインは7万8193ドルで始まり、その後は一時7万7000ドル台半ばまで下落した。4月を通じて8万~8万600ドルの水準が上値抵抗として意識されており、今回も上抜けには至らなかった。

相場の重しとなったのは、AIを巡る米中対立の再燃だ。ホワイトハウスは対中警戒を強め、マイケル・クラチオス大統領府科学技術政策室長は、中国系の主体が米国のAIシステムに対し、「産業規模の蒸留(distillation)キャンペーン」を展開していると主張した。

ホワイトハウスは、こうした主体が数万件のプロキシアカウントや脱獄手法を使い、米AIモデルの独自データを持ち出していると指摘した。米AI企業との情報共有や責任追及措置も検討しており、市場では技術覇権を巡る競争が再び激しくなる兆しと受け止められた。

政治日程も相場の変動要因となっている。ドナルド・トランプ大統領が5月中旬に習近平国家主席との会談に向けて中国訪問を控える中、市場の関心は、緊張がさらに高まるのか、それとも交渉局面に向かうのかに集まっている。

オンチェーン指標も上値の重さを示している。トレーダーの実現価格は約7万6800ドルで、足元の戻り局面ではこの水準が抵抗線として意識されているという。デリバティブ市場では、Deribitで取引される8万ドルのコールオプションに最も建玉が積み上がっており、名目価値は17億8000万ドルに達した。

これは、市場になお上値余地を見込む向きが残っていることを示す。実際、コールはプットを上回っており、投資家心理は比較的強気を保っている。ただ、オプション市場の期待に比べると、現物相場の戻りは鈍い。

ビットコインは足元で、テクニカル面の上値抵抗と地政学リスクという二重の重しに直面している。米中対立が和らげば8万ドル回復を再び試す可能性がある一方、緊張が一段と強まれば、リスク資産全般の投資家心理悪化とともに追加調整に向かう余地もある。

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