Intelが市場予想を上回る2026年1~3月期決算を発表し、株価が時間外取引で15%上昇した。売上高はデータセンター事業とファウンドリ事業の伸びに支えられ、次期見通しも市場予想を上回った。一方で、純損失は前年同期から拡大し、収益性の改善は引き続き課題として残った。
米CNBCが4月23日(現地時間)に報じた。低迷が続いていた事業全体で、売上高の持ち直しが見え始めたとしている。
1~3月期の売上高は前年同期比7.2%増の135億8000万ドルとなり、市場予想の124億2000万ドルを上回った。直近7四半期のうち5四半期で減収が続いていたことを踏まえると、増収への転換をうかがわせる内容といえる。調整後1株当たり利益(EPS)も市場予想の0.01ドルを上回った。
4~6月期のガイダンスも市場予想を上回った。売上高見通しは138億~148億ドル、調整後EPSは0.20ドルとした。市場予想は売上高130億7000万ドル、EPS0.09ドルで、いずれも会社計画が上回った。
事業別では、データセンター関連売上高が22%増の51億ドルと伸びた。AI需要の拡大を背景に、CPU需要が回復し始めたことが寄与したとの見方がある。
ファウンドリ事業の売上高も16%増の54億ドルだった。ただ、この売上高の多くは外部顧客向けではなく、自社チップの生産によるものだ。Intelは設計から生産までを手がける総合半導体メーカー(IDM)体制を維持しており、生産をTSMCに委託する企業が多い半導体業界では差別化要因の1つとなっている。
製品投入も業績を下支えした。Intelは1月にPC向け「Core Ultraシリーズ3」を投入し、3月にはデータセンター向け「Xeon 6+」プロセッサを投入した。その後、Googleは自社データセンターのAI処理向けに、Intelの複数世代のCPUを活用する方針を示した。最新のPC向け・データセンター向けチップは、アリゾナの新工場で18Aプロセスにより生産している。
一方、収益性の改善はなお道半ばだ。純損失は42億8000万ドル(1株当たり0.73ドル)となり、前年同期の8億8700万ドル(同0.19ドル)から赤字幅が拡大した。売上高が持ち直しても、損失体質からは脱し切れていない。
株価の上昇基調も続いている。Intel株は2026年に入り、23日の終値ベースで80%超上昇した。2025年に84%急騰した後も上昇が続いている。
米政府による半導体産業支援策に加え、NVIDIAやSoftBankなどの投資も続いたが、IntelはAIの初期局面でAMDやNVIDIAに後れを取り、明確な追い風を作れずにいた。
こうしたなか、CPU市場の変化がIntelにとって新たな機会として注目されている。これまでAI演算を主導してきたGPU中心の構図に対し、エージェント型ワークロードの拡大によってCPU需要が再び増える可能性が指摘されているためだ。
Intelが最近、Apollo Global Managementに売却していたアイルランドの半導体工場の持ち分49%を140億ドルで買い戻した背景にも、こうした流れがあるとの見方もある。
今後の課題も明確だ。Intelの18Aプロセスは、技術面ではTSMCの2ナノプロセスと同等水準と評価される一方、主要顧客は実質的に自社に限られている。長年TSMCを利用してきた顧客を取り込み、外部受注を拡大できるかが次の焦点となる。過去のプロセス移行で繰り返された遅延に加え、一部18Aウエハーの歩留まり問題も懸念材料として残る。