ドナルド・トランプ大統領(写真=World Liberty Financial)

米国で認可を受けた予測市場Kalshiで、ドナルド・トランプ大統領が弾劾される確率が66.6%まで上昇した。対象となるのは2028年1月までに米下院が弾劾訴追案を可決するケースで、累計取引額は276万ドル(約4億1400万円)を超えている。

ブロックチェーン系メディアBeInCryptoが22日(現地時間)、こうした市場動向を伝えた。

この契約は、下院で弾劾訴追案が可決されれば「Yes」で決済される仕組みだ。上院での有罪評決や、実際に職を失うかどうかは条件に含まれない。市場では、最終的な退陣の有無よりも、まず下院で弾劾手続きが動き出す可能性に注目が集まっている。

弾劾確率は、2025年11月に市場が開設された当初は約30%だった。その後上昇基調をたどり、3月には70%を上回った。足元ではやや調整したものの、依然として高水準を保っている。

市場参加者が最大の変数とみているのが、2026年の中間選挙だ。別の予測市場では、民主党が下院の多数派を奪還する確率が約71%で取引されている。民主党が過半数を確保すれば、トランプ氏の1期目と同様、下院主導で弾劾手続きが進む可能性があるとの見方が市場に反映されている。

Xに投稿したウォルター・ブルームバーグは、この動きについて「結果は依然不確実だが、政治問題の拡大を見込む動きが織り込まれている」と指摘した。Kalshiの契約構造上、政治的な圧力が強まるだけでも確率は上がり得る。

外交を巡る発言も材料視された。トランプ氏のイランやホルムズ海峡に関する発言を受け、民主党内では弾劾推進や、合衆国憲法修正第25条の適用検討を求める声が浮上し、政治的な緊張が強まった。ただ、現時点で正式な弾劾手続きは始まっていない。

一方、同じKalshiで取引されている「実際に職を失う可能性」は相対的に低い。上院で3分の2の賛成を得るか、憲法修正第25条が発動されることを前提とする別契約は、27%前後で推移している。下院での弾劾訴追と、実際の失職との間には高い政治的ハードルがあることを示している。

Kalshiの弾劾関連契約は、議会の公式記録に基づいて結果が確定する。政治的なレトリックや公の発言ではなく、実際に下院採決が成立したかどうかが決済条件となる。このため市場は、中間選挙後の議会勢力図の変化を先回りして織り込みつつある。

もっとも、予測市場が常に現実を正確に映すとは限らない。2016年の米大統領選では、市場予測が実際の結果とずれた例もある。足元の数値は弾劾が確定したことを意味するというより、政治リスクの高まりを示すシグナルとみるのが妥当だ。

今後の焦点は、2026年中間選挙の結果と、その後の議会対応に移る。とりわけ行政府の外交政策を巡る対立が続けば、下院での弾劾訴追の可能性と、実際に職を失う可能性との開きがさらに広がるかが注目点となる。

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