写真=Humble Robotics

Humble Roboticsは、運転席を持たない電動自動運転貨物プラットフォーム「Humble Hauler」を発表した。倉庫や鉄道ヤード、港湾といった管理された物流拠点での搬送に特化した車両で、可変シャシーとレベル4対応の自動運転技術を組み合わせ、拠点内物流の自動化を狙う。

米InsideEVsが4月22日(現地時間)に報じた。Humble Haulerは、閉鎖空間または管理下にある物流環境で貨物を自動搬送することを想定したクラス8の電動プラットフォームだ。長距離の高速道路輸送ではなく、標準化しやすい拠点間の反復輸送に照準を合わせる。

最大の特徴は、大型トラックに一般的な運転席をなくした点にある。同社は、これにより積載スペースの有効活用が進み、構造の簡素化によるコスト低減も見込めるとしている。車両は従来のトラクターとトレーラーの組み合わせではなく、動力系を一体化した「プラットフォーム型トレーラー」として設計した。物流事業者の運用に応じて、さまざまな形態に構成できるという。

シャシーは可変式を採用した。「lock & twist」方式の汎用インターフェースを備え、全長を伸縮できる。6輪のコンクリートミキサー仕様から8輪のコンテナ搬送車仕様まで構成可能で、必要に応じて既存のトラクターでけん引できるため、既存インフラとの互換性も確保したとしている。

性能面では、短距離物流の自動化に最適化した。2基の電動アクスルを搭載し、航続距離は最大約200マイル(約321km)、最高速度は時速55マイル(約88km)。長距離輸送よりも、港湾内や物流拠点間での反復走行に適した設計とする。初の試作車も、港湾でコンテナを無人搬送する用途を念頭に開発した。

自動運転はレベル4対応を目指す。カメラ、LiDAR、レーダーを組み合わせたセンサー群により、車両周辺を360度把握できる構成とした。あわせて、視覚、言語、行動を統合する独自モデルを適用した。同社は、このモデルによって周辺状況の理解を高め、初めて走行する環境でも適切な判断を下しやすくなると説明している。

運転席のない構造は、自動運転車両としての設計自由度の向上にもつながるという。回転半径や車体比率など、従来の車両設計に伴う制約を減らし、より効率的な経路設定や空間活用を可能にするとしている。プラットフォーム重量も、従来のセミトラックに比べて約20%軽量化した。

経営陣には関連分野の経験者をそろえた。Humble RoboticsのCEO、エヤル・コーヘン氏は、AppleやUber、Waabiで自動運転、電気自動車、物流技術の開発に携わってきた人物だ。同氏は「貨物を積載ドックまで完全に自動化できる基盤が、初めて整った」と強調した。

商用化に向けた準備も進める。Humble Roboticsは物流・サプライチェーン関連企業と連携し、自動運転の実証試験やパイロットプログラムを推進している。あわせて、Eclipseが主導したシードラウンドで2400万ドル(約36億円)を調達した。Energy Impact Partnersも出資に加わった。

今回の発表は、TeslaやDaimlerなど既存自動車メーカーが高速道路中心の自動運転トラック開発を進める流れとは一線を画す。より実装しやすい拠点内物流の自動化市場を狙う点が特徴だ。

今後は、多様な貨物形態に対応する可変プラットフォームが実運用の現場でどこまで効率性を示せるか、さらに自動運転の実証を安定した商用サービスへつなげられるかが焦点となる。

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