Ethereum(ETH)はステーキング比率が過去最高を更新したものの、Bitcoin(BTC)に対する相対パフォーマンスはなお弱い。短期のチャートでは一段安の可能性が意識される一方、オンチェーン指標は中長期の需給改善を示唆している。
Cointelegraphが22日(現地時間)に報じたところによると、ETH/BTCは弱気パターンを維持しており、5月にかけて0.026BTC水準まで約10%下落する余地があるという。
直近1週間で、ETHはBTCに対して約5.5%下落した。チャート上では、2月以降の下落トレンドの中で戻りを試すチャネルを形成しており、いわゆる「ベアフラッグ」の形状を示している。
このパターンは、一般に下落トレンド継続を示唆する。足元のチャネル下限を明確に割り込んだ場合、短期的な下値メドとして0.026BTC近辺が意識される。
同様の値動きは今年初めにも見られた。前回はベアフラッグを下放れた後、ETH/BTCが約15%下落しており、今回も同じ構図が再現されれば、短期的にはBTCの相対的な強さが続くとの見方が出ている。
もっとも、反発の可能性が完全に消えたわけではない。ETH/BTCが現在のチャネル下限を維持できれば、5月の上値抵抗線にあたる0.032BTC近辺まで戻す余地もある。目先はサポートを守れるかが焦点となる。
一方、オンチェーン指標はEthereumのファンダメンタルズ改善を示している。データプラットフォームのToken Terminalによると、21日時点のEthereumのステーキング比率は32.33%と過去最高を記録した。
ステーキングされたETHは3900万ETHに達し、約81万6578人のバリデーターによって運用されている。規模は902億6000万ドル相当にのぼり、流通量の3分の1超がステーキングに回ったのは初めてだという。
こうした構造変化は、市場で売買可能な供給量を減らす要因になる。実際、Ethereum Foundation(EF)も今月初め、7万ETHのステーキング目標を達成し、保有資産の運用を収益化する動きを進めている。
また、Bitmine Immersion Technologiesは約497万6000ETHを保有しており、このうち相当量を自社のバリデーターネットワークを通じてステーキングしているという。
短期の値動きと中長期の需給構造は、足元で逆方向を向いている格好だ。取引可能なEthereumの供給減少は売り圧力の緩和につながる可能性があり、需要が維持されれば、中長期の価格にはプラス材料となり得る。
それでも、足元でEthereumがBTCに対して弱含んでいる背景は比較的明確だ。BTCが機関投資の拡大や企業資金の流入という追い風を受ける一方、Ethereumは「Ultrasound Money」という物語性が薄れ、相対的な魅力が低下したとの見方がある。
焦点は2点ある。1つは、ETH/BTCがベアフラッグの下限を維持し、短期反発に転じられるか。もう1つは、ステーキング拡大による流通量の減少が現物需給の改善につながり、対BTCでの弱さを和らげられるかどうかだ。
短期チャートは分岐点を迎えているが、供給構造の変化がEthereum価格に与える影響は今後も注目されそうだ。