Bitget(写真:Shutterstock)

OKX、Bybit、Bitgetなど主要な中央集権型暗号資産取引所で、全社員にAIツールの日常利用を求める動きが広がっている。一部では、LLMのトークン使用量を主要業績評価指標(KPI)に組み込み、AIを選択肢ではなく運用基盤として扱う例も出ている。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが22日(現地時間)に報じた。

各社で運用方法は異なる。OKXは全社員向けにAnthropicの「Claude Enterprise」を導入したとされる。

Bybitはベン・ジョウ最高経営責任者(CEO)の指示で、「Claude」などのAIツールを全社展開した。Bitgetは四半期の評価期間中、社員に対し1日当たりの最低利用基準を満たすよう求めているという。

とりわけ開発部門ではAI活用が進んでいる。一部取引所では、コードの90%超をAI支援で作成するよう求めているとされる。

少なくとも1社は、個人ごとのトークン使用量をKPIに設定し、LLM活用の度合いを人事評価に直接反映している。

こうした運用強化の背景には、既に公表されている生産性改善の効果がある。Bybitは「AI4SE」の導入により、エンジニアリング生産性が30%向上したと説明。ソフトウェア開発の全工程で、効率を最大50%高める目標も掲げた。

Bitgetも、AIを活用した採用プロセスの導入後、採用に要する期間が38%短縮したとしている。

取引所における社内AI活用の拡大は、暗号資産業界全体の人員見直しの流れとも重なる。Gateが最近公表した業界雇用ホワイトペーパーは、AIの影響が想定より速いペースで広がっていると指摘した。

Crypto.comは2026年1~3月期に人員の12%を削減したとされ、残る社員には日常業務へのAI活用を求める動きが強まっているという。

経営陣もAIを運用体制の一部とみなしている。ベン・ジョウCEOは今月初めのParis Blockchain Weekで、AIは消費者向け機能にとどまらず、金融プラットフォームの中核的な運用基盤だとの見方を示した。

一方で、トークン使用量が実際の生産性を示す指標になるのかを巡っては議論が続いている。批判的な立場からは、価値創出より利用量の水増しを招きかねないとの指摘がある。これに対し支持派は、開発期間の短縮やリリース速度の改善を根拠に挙げている。

Anthropicも企業市場で顧客基盤を急速に拡大している。Claudeを開発する同社は、年間100万ドル超を支払う企業顧客が1000社を超えたと明らかにした。

Bybitは、企業全体でAI統合を進める企業の一角に加わったとした上で、「この転換を直ちに進めない企業は失敗する」と主張した。さらに、「動きの遅い企業は取り残される」とし、優れた人材と最適なAIツールを組み合わせた企業が優位に立つとの見方を示した。

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