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米ITメディアの9to5Macは4月21日(現地時間)、米Appleのティム・クックCEO体制について、就任後に投入した主要製品・サービスを振り返り、成果と課題を整理した。AirPodsやApple Watch、Apple Siliconへの移行を高く評価する一方、Vision Proの高価格やApple Intelligenceの未完成さを懸念材料として挙げている。

9to5Macは、クック体制のAppleについて、iPhoneのような単発の大型イノベーションよりも、複数の製品とサービスを組み合わせてエコシステムを拡大してきた点に特徴があると分析した。

同メディアは「iPhone級の瞬間はなかったが、その後のAppleを停滞とみなすのも難しい」と指摘。クック体制では、単一製品の革新よりも、複数事業を同時に伸ばす戦略が際立ったと評価した。

象徴的な事例として挙げたのが、AirPods、Apple Watch、Apple Siliconへの移行だ。AirPodsは完全ワイヤレスイヤホン市場の普及を後押しし、Apple史上でも最も成功したアクセサリーの一つと位置付けた。

Apple Watchについては、当初の懐疑的な見方を覆し、健康管理デバイスとして定着したと評価した。多くのユーザーの日常生活に浸透した点を強みとしている。

MacのApple Silicon移行も高評価の対象となった。短期間で性能と電力効率を大きく引き上げ、業界のベンチマークを塗り替えた事例だとした。

クック体制下でAppleは、製品・サービス領域を継続的に広げてきた。2014年にApple Payを開始し、その後はApple Watch、Apple Music、iPad Pro、Apple Pencilを展開。さらにAirPods、Apple TV+、Apple Arcade、Apple News+、Apple Card、Apple Silicon、Apple Fitness+、Apple One、AirPods Max、iCloud+、AirTag、Vision Pro、Apple Intelligenceへと裾野を広げた。

このうち9to5Macは、市場構造に影響を与えた代表的な取り組みとして、AirPods、Apple Watch、Apple Silicon、Apple Pay、デバイス間の連携機能、App Tracking Transparency(ATT)を挙げた。いずれも、ユーザーが強く意識することなく日常利用の中に溶け込んだ点を評価している。

一方、すべての試みが成功したわけではない。Vision Proについては、ハードウェアとソフトウェアの完成度自体は高いとしながらも、価格の高さが普及の壁になったと指摘した。

Apple Cardも、提供地域が米国に限られる点を制約として挙げた。Apple Intelligenceについては、なお初期段階にあり、完成度の面で課題が残ると評価した。

こうした見方は、クック時代のAppleの競争力が個別製品の突出ではなく、「製品間の結合力」にあるとの分析につながる。iPhone、Apple Watch、AirPodsが有機的に連動し、ユーザー体験を強化する構造こそが、Appleのエコシステム拡大の中核だというわけだ。

9to5Macは、クック時代を「車輪の再発明」の時期ではなく、スティーブ・ジョブズが築いた基盤を改善し、大衆化した時期だったと総括した。

そのうえで今回の整理は、クック体制下の15年を「iPhone以降に革新を欠いた時期」と見るのか、それとも「多層的な製品群とサービスの結合によって巨大なエコシステムを築いた時期」と見るのかを問いかけるものだとした。

総じて9to5Macは、クック時代を成功した転換期と位置付けた。一方で、Vision Proの高価格やApple Intelligenceの未完成さなど、今後の成果で評価が定まる領域も残されていると結論付けた。

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