AppleでSiri刷新を率いるマイク・ロックウェル氏が、退任や役割見直しを含め、今後の身の振り方を検討していることが分かった。米ITメディア9to5Macが22日(現地時間)に、Bloombergの報道を引用して伝えた。
報道によると、ロックウェル氏は最近、自身の今後の役割を巡って複数の選択肢を社内で検討しているという。
今回の動きの背景には、Appleの直近の組織再編がある。ロックウェル氏はVision Pro開発を主導したことで知られ、現在はAIベースの次世代Siriの刷新を統括している。
Appleは、ティム・クック最高経営責任者(CEO)がジョン・ジアンナンドレア氏率いる既存のAI組織に対する信認を失ったことを受け、体制を見直した。その過程で、Siri刷新の任務をロックウェル氏に託した。
社内では、難度の高い技術課題を解決できる人材としてロックウェル氏への期待が大きかったとみられる。Vision Proの市場投入までに複数の技術的課題を乗り越えた実績が評価されてきたためだ。
一方で、AppleのAI戦略全体は現在、ソフトウェア部門を統括するクレイグ・フェデリギ氏の管轄下にある。ロックウェル氏はこうした指揮系統の変更に慎重な姿勢を示してきたとされ、フェデリギ氏の下で職務を担うことへの負担感も、去就を考える一因になっているとみられる。
もっとも、当面はAppleを離れないとの見方もある。仮に退任や助言役への移行を選んだとしても、Siriのアップグレードが完了する前に離脱する可能性は低いと報じられている。
Appleにとっても、AIベースのSiri刷新が進む局面で責任者が交代すれば、影響は小さくない。Siriの立て直しは、同社のAI競争力回復を左右する重要課題と位置付けられているためだ。
今回の報道は、Apple内の人材維持という別の課題にも目を向けさせる。次期CEO候補として名前が挙がるジョン・ターナス氏が今後直面する論点の一つとして、主要人材の引き留めが浮上している。
最近の主要人事を巡っては、社内の不満も報じられている。次期ハードウェア責任者候補とみられていたケイト・バーザロン氏は、そのポストにトム・マリーブ氏が就いたことに不満を示したとされる。
ロックウェル氏の去就は、単なる個人の異動にとどまらない。AppleのAI組織の安定性にも直結する問題であり、同氏が役割を縮小するのか、助言役に回るのか、あるいはSiri刷新後も中核ポストにとどまるのかが、今後の焦点となりそうだ。