ソニーグループとHondaは、EV(電気自動車)開発の合弁会社Sony Honda Mobilityの事業を事実上停止する方針を固めた。社員は原則としてグループ内の別組織に再配置し、独自EVブランド「AFEELA」の販売も見送る。法人は解散せず、モビリティ分野での技術協業の可能性を引き続き検討する。
ITmediaが21日付で報じたところによると、両社は設立時に想定した商品・サービスを短期間で市場投入するのは難しいと判断し、事業の縮小を決めた。単なる開発の遅れではなく、現行の事業体制では販売体制の構築が難しいと結論付けたという。
これに伴い、Sony Honda Mobilityの社員は本人の希望を踏まえたうえで、原則として全員をソニーグループまたはHondaのグループ内組織に再配置する。法人は存続させ、これまでに蓄積してきたソフトウェアなどの技術資産を活用しながら、モビリティ領域での新たな協業の形を協議していく。
今回の判断で最も影響を受けるのが「AFEELA」だ。両社は第1弾モデルを2026年中に投入する計画だったが、HondaのEV戦略見直しを受けて販売を見送った。第2弾製品の開発もすでに停止している。中核プロジェクトだったAFEELAの見直しにより、共同EV事業は事実上停止する格好となった。
背景には、HondaのEV戦略全体の修正がある。Hondaは3月12日、米国でのEV需要の減速を理由に、次世代EV「0シリーズ」2車種などの開発中止方針を公表した。あわせて、2027年3月までに最大2兆5000億円の損失を見込む計画も明らかにしており、Sony Honda Mobilityの事業もこうした戦略見直しの影響を受けたとみられる。
一方で、法人を維持する方針は、両社が協業の余地を残していることも示している。今後は、開発済みのソフトウェアなどの技術資産をどのように活用するかに加え、車両販売に代わる形でソフトウェア中心の協業体制を組み直すかどうかが焦点となる。