米ニューヨーク州は、暗号資産取引所のCoinbaseとGeminiを相手取り、両社が提供する予測市場契約が州賭博法に反するとして提訴した。州当局は、スポーツやエンターテインメント、選挙を対象とする契約について、無許可の賭博商品に当たると主張している。CoinDeskが21日(現地時間)に報じた。
ラティーシャ・ジェームズ州司法長官は、両社のサービスを違法な賭博運営と位置付けた。名称を変えても賭博は賭博であり、州法や州憲法に基づく規制を回避することはできないとの考えを示した。
訴状では、両社の予測市場サービスは実質的に賭博商品だと指摘した。州は、予測市場の宣伝手法やプラットフォーム上で果たす役割を踏まえ、両社がブックメーカーのように機能していたと主張している。
また、利用者は賭けの当事者に当たり、各契約は個別の賭けに相当するとした。さらに、両プラットフォームが18歳以上21歳未満の利用者にも参加を認めていたと主張している。ニューヨーク州では、モバイルアプリを通じた賭博への参加は21歳未満に認められていない。
Coinbaseに対する訴状では、この点をより踏み込んで説明している。州は当該サービスを典型的な賭博と位置付け、利用者が自ら左右できない試合結果や将来の出来事に金銭を賭け、特定の結果が出た場合に対価を受け取る仕組みだとした。
こうした提訴はニューヨーク州に限らない。ネバダ州やワシントン州なども、スポーツやエンターテインメント関連の予測市場契約を巡って同様の訴訟を起こしている。
各州は、特にスポーツ関連契約について、連邦規制の対象となるスワップではなく、実質的なベッティングに当たるとみている。こうした争点は複数の控訴裁判所で審理されており、連邦最高裁に持ち込まれる可能性も指摘されている。
これに対し、Coinbaseは連邦管轄を根拠に反論している。ポール・グレウォル最高法務責任者(CLO)はX(旧Twitter)への投稿で、予測市場は連邦規制の下で運営される全米規模の市場だと主張し、連邦による監督を守るため対応する考えを示した。
米商品先物取引委員会(CFTC)も、州政府とは異なる立場を示してきた。マイク・セリグ委員は、スポーツ関連契約を含む予測市場は委員会の排他的管轄に属すると主張している。
CFTCは、アリゾナ州、コネティカット州、イリノイ州を相手取り、予測市場事業者に対する制裁を差し止めるための訴訟を提起した。ネバダ州の案件にも、事業者側を支援する立場で加わっている。
一方、大手予測市場事業者のKalshiは、今回の訴訟の被告には含まれていない。Kalshiは昨年秋、ニューヨーク州ゲーム委員会を相手取り、自社プラットフォームに州賭博法は適用されないとの判断を求めて連邦裁判所に提訴している。
この案件は、ニューヨーク南部地区連邦地裁で係争中だ。