写真=Reve AI

自律型のAIエージェントが、ブロックチェーン業界の次の成長テーマとして存在感を強めている。人手を介さずに資金管理や取引執行を担う仕組みとして、暗号資産エコシステムの構造そのものを変える可能性があるとの見方が広がっている。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが21日(現地時間)に報じたところによると、香港Web3フェスティバルでは、新たな暗号資産や取引所よりも、資金を自律的に管理し取引を実行するAIプログラムが主要な論点として取り上げられた。

AIエージェントは、単純な自動化ツールではない。状況に応じて判断し、実行まで担う仕組みを指す。

背景には、24時間動き続ける暗号資産市場の特性がある。売買や貸付、運用といった業務を人手に頼らず処理したいという需要は大きく、業界では、こうしたシステムがコードベースのルールだけで相当規模の経済活動をこなせるとみている。

一方、既存の金融インフラには限界もある。銀行を中心とする従来システムは、口座や仲介機関、手作業による確認を前提に設計されており、大口取引には適していても、AIが担う小口・高頻度の処理には非効率だと指摘されている。

これに対し、ブロックチェーンは、あらかじめ設定したコードに基づいて自動執行でき、仲介者を介さずに取引を処理できる。こうした特性から、AIエージェントが主体となる経済活動との親和性が高いと受け止められている。

市場データもこの流れを裏付ける。今年1〜3月期には、世界のベンチャーキャピタル投資の相当部分がAI分野に向かい、2026年の世界のAI投資額は2兆ドル(約300兆円)を超えるとの見通しも示されている。

一部プラットフォームでは、全体の活動量の半分近くが利用者の介入なしに自動で処理されていることも分かった。

業界では、この変化は単なる自動売買にとどまらず、経済の構造全般に波及し得るとみている。人と人との取引を前提としてきた既存モデルは、人と機械、さらには機械同士の取引へと移行しつつあるという認識だ。

その基盤設計として、「二重トークン構造」などの考え方も提示されている。コンピューティング資源の利用と価値移転を、それぞれ別のトークンで管理する方式だ。

信頼性と追跡可能性も重要な要素とされる。ブロックチェーン上で稼働するAIエージェントの活動はすべて記録として残り、検証も可能になるため、市場拡大を支える基盤になると期待されている。関連市場は今後10年で急成長するとの見方もある。

伝統的な金融業界でも、オンチェーン化の兆しが出始めている。JPMorgan Chaseの最高経営責任者(CEO)ジェイミー・ダイモン氏は、ブロックチェーンはもはや実験段階ではないとの認識を示し、トークン化とスマートコントラクトを金融のオンチェーン移行を示す動きとして挙げた。

実際のサービスもすでに登場している。Fetch.aiとSingularityNETはエージェント同士のサービス取引を支援し、Autonolasは分散型金融(DeFi)戦略を実行するエージェントの運用を支えているという。

レイヤー2ネットワークやゼロ知識証明(ZKP)も、性能向上とプライバシー保護の両面で補完技術として活用されている。ただ、処理速度や安全性、規制対応は引き続き課題として残る。

業界では、2030年前後にはAIエージェントがスマートフォンアプリのように日常的なツールとして定着する可能性があるとみている。人の介入なしに取引と執行が進む構造が広がれば、デジタル資産市場の仕組みと規模は大きく変わる可能性がある。

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