画像はMegazoneCloudとHeerimが実証した建築法規チェックAIのイメージ

MegazoneCloudは4月22日、大手建築設計会社Heerimと共同で進めていた「建築法規チェックAIエージェントシステム」の実証事業を完了したと発表した。設計前に必要な法令確認業務をAIで自動化し、従来3〜5日を要していた作業時間を30分以内に短縮したという。

同システムは、Amazon Bedrockを活用し、ソウルリージョン上に構築した。MegazoneCloudは、機微データを海外に送信する必要がない構成とすることで、関連する規制への懸念軽減にもつながるとしている。

MegazoneCloudによると、利用者が建築設計図書や公募ガイドラインをPDFまたは画像形式でアップロードすると、法制処と国土交通部の空間情報システム公開APIとリアルタイムで連携する。用途地域、建ぺい率、容積率、日照権、避難施設、環境配慮認証など、8カテゴリ38項目を自動でチェックし、各項目の適合可否と法令上の根拠を提示する。

また、設計図書から用途、規模、位置、面積といったプロジェクト情報を抽出し、対象地域の地区単位計画の告示内容と自動照合する。結果は関連法令の条項とともに整理され、アップロードしたファイル内の該当箇所をハイライト表示できるほか、Excel形式での出力にも対応する。

システムは、スーパーバイザーエージェントの下で複数の専門エージェントが連携するマルチエージェント構成を採用した。スーパーバイザーが全体の処理パイプラインを統括し、PDF前処理、プロジェクト分析、地区単位計画、法令レビュー、設計基準分析の5つのエージェントが順次動作する仕組みだ。

MegazoneCloudは、技術面の最適化により、法規チェック1回当たりの実行コストを開発初期と比べて86%削減したとしている。

同社は、Amazon Web Servicesの生成AI協業プログラム「Generative AI Partner Innovation Alliance」に選定されたパートナーで、今回のプロジェクトもAWSとの協力の下で進めた。

MegazoneCloudのリーダーは「AIエージェントが単純な質疑応答にとどまらず、複雑な専門業務まで担えることを実運用に近い環境で示した事例だ」とコメントした。その上で「建築法規のようにルール体系が複雑な分野ほど、マルチエージェント導入の効果は大きい。今後は類似産業への展開も積極的に進めていく」と述べた。

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