NVIDIA株が3月末の安値から約23%反発し、201.75ドルの上値抵抗線を試している。チャート形状や変動率がビットコイン(BTC)に近いとの見方も出ており、オプション需給や米国の関税還付観測が一段高の鍵を握りそうだ。
20日付のBeInCryptoによると、NVIDIA株は201.75ドル近辺で上昇フラッグを形成している。この水準を明確に上抜ければ、250ドル前後まで上昇余地が広がる可能性がある。
NVIDIA株は3月30日に164.04ドルまで下落した後、足元では201.75ドルまで持ち直した。直近は199ドル台で推移しており、上値抵抗線を前にもみ合う展開となっている。
ビットコインも同様に、3月29日の6万4869ドルから4月17日には7万8380ドルまで反発した。両資産とも、高値形成後に上値抵抗線の手前で調整する値動きが共通しているという。
変動率にも近さが見られる。30日年率ボラティリティは、NVIDIAが27.7%、ビットコインが27.8%だった。
これはS&P 500の14.9%、ナスダック100の18.4%を上回る水準で、Appleの18.4%、Microsoftの24.6%よりも高い。
市場ではオプション動向にも注目が集まっている。NVIDIAのプット・コール・レシオは、3月の安値局面で出来高ベースが0.74、建玉ベースが0.89だったが、直近ではそれぞれ0.59、0.84に低下した。
下値ヘッジ需要が相対的に後退したことを示す動きで、BeInCryptoは「オプション市場では、201.75ドルの上値抵抗線に備えた下方保険の買いが積極化していない」と分析している。
こうした変化の背景として挙げられたのが、米連邦最高裁による関税判断だ。報道によれば、同裁判所はドナルド・トランプ前大統領時代の相互関税政策を違法と判断し、米政府は大規模な関税還付手続きに入ったという。
還付規模は約330億ドルにとどまらず、最大で1660億ドル(約24兆9000億円)に達する可能性があり、60〜90日以内に実施される見通しとされる。市場では、これがNVIDIAの輸入コスト負担の軽減につながるとの見方が出ている。
NVIDIAはグローバルな半導体サプライチェーンの中で輸入部品への依存度が高い。関税負担が低下すれば、AIインフラ整備コストへの圧力が和らぐ可能性がある。
通常であれば、上値抵抗線の近辺では下方ヘッジが増えやすいが、今回はむしろ減っている点が特徴的だと指摘された。
資金流入指標も改善している。チャイキン・マネー・フロー(CMF)は足元で0.21となり、3月の安値局面で付けたマイナス0.25近辺からプラス圏に浮上した。直近の上昇局面で実需の資金流入があったことを示唆している。
もっとも、強気シナリオが確定したわけではない。テクニカル面では、日足終値ベースで201.75ドルを上抜けて初めて、上昇フラッグの目標値が有効になるとみられている。
その場合、上昇余地は約23%となり、拡張目標は253ドル近辺となる。市場では、水平の上値抵抗線である248ドルとも重なることから、250ドル前後を主なターゲットとして意識している。
中間の上値抵抗線としては211ドルと227ドルが挙げられる。一方、191ドル台までの調整であれば構造悪化とは言い切れないものの、日足終値で185ドルを下回れば上昇シナリオは弱まりかねない。次の方向性は、201.75ドルを突破できるかどうかにかかっている。