Adobeは20日、企業のデジタルマーケティング業務の自動化を支援するAIエージェント基盤「CX Enterprise」を発表した。顧客接点の強化や営業活動、ロイヤルティ向上を後押しする。あわせて、30社超のAIプラットフォーム企業およびテック企業との協業も公表した。
発表は、ラスベガスで開催した同社の年次カンファレンスで行われた。Adobeは、AIが主導するソフトウェア市場の変化をにらみ、企業向けの顧客体験分野で新たな打ち手を示した格好だ。
同社によると、CX Enterpriseは顧客エンゲージメントや営業活動、ロイヤルティ強化に関わる業務を支援する。AIを活用して関連業務の自動化を進め、企業のマーケティング運用の効率化につなげる。
今回のイベントは、AIを巡る競争が激化するなかでAdobeの競争力を問う見方も出るなかで開かれた。ウォール・ストリート・ジャーナルは、Adobeが自社開発の「Firefly」によって初期のAIブームの追い風を受けた一方、その後はAIがソフトウェア業界にもたらす変化を先取りし、優位性を維持できると投資家に示すことに苦戦していると報じた。
Adobe株は年初来で約30%下落した。
Adobeのシャンタヌ・ナラヤンCEOは「AI中心の新しいアプリケーションが登場するのは明らかで、それに伴ってビジネスモデルも変化する」と述べた。顧客体験オーケストレーション製品担当シニアバイスプレジデントのアミット・アフジャ氏は、「CX Enterpriseは、AI時代にAdobeの技術をどう活用するかを明確に示す大きな前進だ」と語った。
Adobeはあわせて、自律的に業務を遂行するAIエージェント「Adobe CX Enterprise Coworker」も披露した。同社によると、Coworkerは複数のAIエージェントを統括し、関連データを収集したうえで、マーケティング施策の立案から実行までを担う。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Adobeは30社超のAIプラットフォーム企業およびテック企業との協業も発表した。Amazon Web Services、Microsoft、Anthropic、OpenAI、NVIDIAなどが含まれる。顧客企業は各社のプラットフォームを通じて、デジタルマーケティング業務でAIエージェントを活用できるようになるとしている。