写真=iM金融グループ

iM金融グループは4月20日、傘下のiMバンクとフィンテックラボ「PIUM LAB」所属スタートアップのBuchigoが共同で進めてきた、ブロックチェーン活用の前払式決済サービスの実証事業に国内で初めて成功したと発表した。

今回の実証は、ステーブルコイン制度化の議論に先立ち、現行の法制度の下でブロックチェーン決済を実装した点に意義がある。グループでは、前払式電子支払手段の枠組みを活用し、規制に沿った形でサービスモデルを検証したとしている。

サービスは、iMバンクの実名口座と連動する前払残高を前提に設計した。本人確認やマネーロンダリング対策(AML)、利用者保護といった規制要件を満たしたうえで、銀行の管理基盤とブロックチェーンの分散台帳を組み合わせた構成を採った。

同社が掲げる「ハイブリッド戦略」は、銀行の信頼基盤とフィンテックの機動力、中央集中的な清算システムと分散台帳、AI基盤とブロックチェーン基盤の融合を柱とする。今回の実証は、こうした3つの要素を現行規制の下で同時に稼働させた事例と位置付けている。

利用者向けには、QRコードを読み取るだけで決済できる使い勝手を実現した。前払残高は実名口座と連動し、チャージや返金、利用履歴の管理も銀行取引に準じた安定性で提供する。内部処理にはブロックチェーンを用いる一方、利用者は一般的なQR決済に近い感覚で使えるという。

加盟店側では、分散台帳ベースの清算構造を採用することで、手数料負担の抑制と清算の迅速化を図った。カード決済に比べて清算遅延を縮小し、資金繰り負担の軽減につなげる設計で、地域の小規模事業者のキャッシュフロー改善効果を見込む。

iMバンクとBuchigoは、前払式電子支払手段の発行・チャージ、QR決済との連動、リアルタイムの取引処理、加盟店清算、利用履歴照会までの一連のプロセスをブロックチェーン基盤上で実装した。決済の安定性や処理速度に加え、加盟店側での実用性についても商用化に耐えうる水準を確認したとしている。

プロジェクトは単なる技術検証にとどまらず、地域経済への波及効果も視野に入れる。決済手数料と清算遅延という課題の改善を通じて、小規模事業者のコスト負担軽減と地域金融インフラの強化に寄与できると評価した。

iM金融グループは、今回の実証を通じてブロックチェーン決済インフラの参照モデルを確保し、デジタル競争力の強化と地域に根差した金融機能の拡充につなげたい考えだ。

また、今回の事例はPIUM LABの協業モデルの成果でもある。スタートアップの技術力、銀行インフラ、グループの規制対応力を組み合わせることで、単独では難しい水準の実証を実現したとしている。

iM金融グループのファン・ビョンウ会長は「今回の成果は、トークン証券やステーブルコインの制度化を見据えた先行的な取り組みだ」とコメントした。「現行法制の中で商用化を見据えた実証を進めることが、iMハイブリッド戦略の実行方式だ」と述べ、今後も有望なスタートアップとの協業を通じてイノベーション生態系を広げていく方針を示した。

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