米国株式市場で、個人投資家主導の「ミーム株」物色が再び強まりつつある。オンライン上の話題性をきっかけに資金が集まる銘柄群に買いが入り、一部では投機的な相場再来への警戒も浮上している。
Bloombergが4月17日付で報じたところによると、個人投資家の売買動向を追うBandar Researchは、足元の値動きをミーム株相場の初期兆候と分析した。中東情勢を巡る地政学リスクよりも、税還付金の流入が個人の買いを後押ししているとみている。
象徴例として挙がるのがAllbirdsだ。環境配慮型スニーカーブランドとして知られる同社は、AIインフラ事業への転換と社名変更計画を打ち出した後、株価が一時5倍近くまで上昇した。その後は急落したものの、なお年初来安値は上回っている。
個人資金の流入も大きかった。Bandar Researchは、16日のAllbirds株に対する個人投資家の純買越額を520万ドル(約8億円)と推計。2021年の新規株式公開(IPO)初日に記録した500万ドル(約7億5000万円)を上回った。
Myciumも同様だ。同社はAI転換計画を発表した後、株価が1日で150%上昇した。過去にはカラオケ機器会社だったAlgorithm Holdingsも、似たストーリーを掲げて短期急騰したことがある。
個人投資家の関心は、こうした銘柄にとどまらない。市場ではTesla、Palantir Technologies、IonQなど、テーマ性の強い銘柄に資金が再び向かう動きも観測されている。
もっとも、ミーム株の急騰が長続きした例は多くない。新型コロナ禍で代表的なミーム株だったOpendoor TechnologiesとBeyond Meatは、その後、高値から大幅に下落したままとなっている。
市場の過熱を懸念する声も出ている。代表例として挙げられるのが、2017年にLong Island Iced Teaがブロックチェーン事業への転換を表明して株価が急騰したケースだ。同社はその後社名を変更したが、最終的には上場廃止の危機に直面した。
一方で、足元の相場を単純な投機熱だけで片付けるのは難しいとの見方もある。企業業績の改善期待と長期の強気相場が続くなか、その末端で一部の投機的銘柄に過熱が生じている可能性があるためだ。焦点は、個人資金が一時的なテーマ株にとどまるのか、それともAI転換などのストーリーを軸に中小型株全体へ広がるのかにある。直近で急騰した銘柄が、実際の事業成果で期待を裏付けられるかどうかも重要な判断材料となる。