Donut Labは、全固体電池を搭載した電動バイク「Verge TS Pro」第2世代モデルのバッテリー構造と充電性能を公表した。100kW級のDC急速充電に対応し、バッテリー残量10%から80%までを約11分で充電できるとする。空冷設計や小型ファンの採用も明らかにし、次世代の二輪EVとして訴求している。
米電気自動車メディアのInsideEVsが17日(現地時間)に伝えたところによると、同モデルは90%までの充電も15分未満としている。
今回明らかになったポイントの1つが、バッテリーパックの設計だ。Donut Labの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)であるビレ・ピポ氏は公式動画で全固体電池パックの構成を説明し、「世界初の全固体電池電動モーターサイクルであり、最も速く充電できるモーターサイクルだ」と述べた。
標準航続距離版は94Whのセルを192個搭載し、公称容量は約18kWh、最大で約20kWhとしている。長距離版は公称約30kWhに増えるが、バッテリー筐体のサイズは同一に保つ。モジュール構成は2P96Sで、システム電圧は400V級とした。
冷却方式も特徴の1つだ。各セル層の間に熱伝導板を配置して熱を逃がし、バッテリーパックの両側には小型ファンと放熱板を備えた。液冷ではなく空冷を採用したのは、バイク特有の限られた搭載スペースを踏まえた設計だとしている。
充電性能については、最大入力がおよそ103kWで、バッテリー容量に対して5Cを上回る充電速度を実現したと説明した。これを根拠に、同社は現行の電動モーターサイクルで最速の充電性能だと主張する。1回の充電で最大約217マイル(約349km)を走行でき、充電1分当たり約12マイル(約19km)分の航続距離を確保できるともしている。
一方で、技術の検証を巡っては不透明な点も残る。Donut Labは全固体電池の商用化の可能性を強調し、エネルギー密度400Wh/kg、充電寿命10万回などの数値を示したが、裏付けとなる特許や独立した検証データはまだ公表していない。業界では、実際の化学組成や性能について慎重に見極める必要があるとの見方が出ている。
同社は先月から同モデルの量産を開始したとしている。ただ、全固体電池を搭載した実車の外部試験結果は現時点で確認されていない。Verge TS Pro第2世代の実力を見極めるうえでは、今後の独立した検証が焦点となりそうだ。