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NVIDIAが2026年に新世代のGeForce GPUを投入しない公算が大きくなっている。実現すれば、1990年代から続いてきたゲーミングGPUの毎年投入が初めて途切れることになる。

海外メディアの報道によれば、背景には事業の重心がゲーミングからAI向けチップへ移ったことに加え、業界全体のメモリ供給難がある。こうした事情から、2026年の新製品投入見送り観測が強まっている。

最大の要因は収益構造の変化だ。NVIDIAのコンピュート・ネットワーキング部門の利益率は直近3年平均で69%に達した一方、ゲーミング向けグラフィックス事業は40%前後にとどまった。

BlackwellのAIチップは1個当たり最大4万ドルに達するのに対し、ゲーミングGPUは299~1999ドルにとどまる。収益性の差は大きく、Bernstein Researchのステイシー・ラスゴン氏は「ゲーミングはかつての成長エンジンだったが、今は違う」との見方を示した。

NVIDIAの空白でAMDやIntelに商機が広がるとの見方もあるが、実際はそう単純ではない。両社もメモリ供給難の影響を受け、供給拡大に苦戦しているためだ。

AMDはRadeon RX 9000シリーズ全体の価格を10~17%引き上げた。Radeon事業を統括するデイビッド・マカフィー氏は、メモリ確保に努めているものの、価格を安定させるのは容易ではないと認めた。

Intelの状況は一段と厳しい。ゲーミングGPU戦略を事実上縮小し、当初検討していたBMG-31ベースの「Arc B770」の投入計画を撤回した。

代わって注力するのは、32GBメモリを搭載したワークステーション向けの「Arc Pro B70」だ。同社は、ゲーム向けモデルについて採算面で見合わなかったと説明している。

こうした判断の土台には、構造的なメモリ供給難がある。NVIDIAは十分なメモリを確保できず、ゲーミングGPUの生産を最大40%削減する計画だという。Micronも、業界全体で恒常的なメモリ不足が続く可能性を警告してきた。

Gartnerは、こうした供給制約を受けて、今年のPC価格が17%上昇し、出荷量は10.4%減少すると予測している。2028年までに低価格帯の個人向けPCが市場から事実上姿を消す可能性があるとの見方も出ている。

問題をさらに複雑にしているのが、AIチップ需要の急拡大だ。高性能AIプロセッサに必要なHBMは、一般的なメモリに比べて約4倍のシリコンウエハーを要するとされ、供給面の負荷が大きい。

メモリ資源がAI向けに優先配分されることで、特定企業に限らず、半導体メーカー各社が同様のボトルネックに直面しているという。

ゲーミングコミュニティーの受け止めは分かれている。グレッグ・ミラー氏は、高収益分野を優先する現実には理解を示しつつも、NVIDIAをここまで育てたのはゲーマーだとして複雑な思いを語った。

一方、ゲーム系ポッドキャスト司会者のティム・ゲティス氏は、NVIDIAがより高い収益を上げ、株主の支持を得られるなら、出発点がゲーミングであってもそこから離れる可能性はあると指摘した。毎年のアップグレードが難しいなか、新製品が出ないことはユーザーの予算負担を和らげる側面もあるとの見方も示した。

2026年のゲーミングGPU市場は、新製品競争よりも供給制約と価格上昇が主な焦点となりそうだ。NVIDIAの空白が直ちに競合のシェア拡大につながらないのも、各社が共通してメモリ供給難に直面しているためとみられる。AI中心に再編された半導体需要の構図が続く限り、ゲーミング市場のボトルネックも当面解消しにくいとの見方が広がっている。

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