2024年のビットコイン半減期後の値動きについて、過去3回の半減期サイクルに比べて上昇率、ボラティリティともに鈍化しているとの分析が出た。一方、米国での現物ETF承認に伴う資金流入が半減期前の相場上昇を押し上げており、今回のサイクルを過去と単純比較するのは難しいとの見方もある。
米ブロックチェーンメディアのCointelegraphが19日付で報じたところによると、投資会社Galaxy Digitalで全社リサーチ責任者を務めるアレックス・ソーン氏は、足元のビットコイン相場について、2012年、2016年、2020年の半減期サイクルと比べて上昇率とボラティリティの両面で勢いが弱まっていると分析した。
ソーン氏は、2024年4月の半減期以降の価格推移を過去3回と比較した。今回のサイクルでは、半減期時点の約6万3000ドルから、2025年10月に付けた12万5000ドル超の過去最高値まで上昇したものの、上昇率は97%にとどまった。
これに対し、2012年の半減期サイクルでは約9294%上昇し、1163ドルまで上昇。2016年は約2950%上昇して1万9891ドルを記録した。2020年の半減期後も上昇率は約761%だった。
ソーン氏は「4回目のサイクルは過去のサイクルを大きく下回っている」と指摘した。分析の焦点は半減期そのものの効果ではなく、半減期後に見られてきた伝統的な4年周期のパターンが弱まっている点にあるという。
ボラティリティの低下も同様の傾向を示している。Bitboのデータによると、ビットコインの30日ボラティリティは2020年4月2日に9.64%まで上昇したが、今回のサイクルでは2024年8月24日に記録した3.11%がピークとなっており、直近の推定値は1.75%となっている。
ソーン氏は、こうしたデータを踏まえ、ビットコイン価格が半減期や4年周期よりも、別の要因に左右されやすくなっている可能性があるとの見方を示した。
もっとも、こうした比較は現在の市場構造を十分に反映していないとの指摘もある。ビットコインは2024年4月の半減期を約1カ月後に控えていた2024年3月の時点で、すでに7万ドル超の当時の最高値を付けていた。
背景には、米国でビットコイン現物ETFが承認された直後に流入した資金の影響が大きいとされる。半減期前に大幅な上昇が先行して織り込まれたため、半減期後だけを切り取ると、今回のサイクルが相対的に弱く見える可能性があるというわけだ。
下落率の面でも、過去とは異なる動きが確認されている。資産運用会社Fidelityのアナリスト、ジャック・ウェインライト氏は、これまでのビットコインの弱気相場では下落率がおおむね80〜90%に達していたと指摘した。
ただ、今回は12万5000ドル超の高値から6万ドルまで下落した局面でも、下落率は50%をやや上回る水準にとどまった。上昇局面の勢いは弱まる一方、下落幅も過去ほど大きくはなっていないことを示している。
市場では、今年の急騰と急落を経た後、底打ちの有無にも関心が集まっている。VanEckの最高経営責任者(CEO)ヤン・バンエック氏は3月、ビットコインが安値圏に近づいているとして、2026年から価格が段階的に持ち直すとの見通しを示していた。
足元の動きは、ビットコイン市場の基準点が半減期から、ETFなど制度化された投資商品の資金や商品構造へ移りつつあるかを測る材料にもなっている。今回のサイクルは過去より弱いとの分析と、半減期前のETF効果が比較を難しくしているとの反論が交錯するなか、今後のビットコイン相場がどの変数により敏感に反応するのかが次の焦点となる。