ビットコイン相場では現物価格よりも、デリバティブ市場のポジション動向が注目材料となっている。写真=Shutterstock

ビットコイン(BTC)が短期的な調整局面を迎えるなか、デリバティブ市場ではなお上昇余地があるとの見方が出ている。無期限先物の資金調達率が大幅なマイナス圏に沈み、売り持ちが過度に積み上がっているためで、相場が反転した場合にはショートスクイーズが急騰の引き金になる可能性がある。

CoinDeskが17日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインは7万4700ドル前後で推移し、24時間では0.4%下落した。一方、週間では3.5%上昇している。

市場の関心は足元の価格動向よりも、先物市場の需給に移っている。ビットコインの無期限先物の資金調達率(perpetual funding rate)は2023年以降で最低水準まで低下し、強いマイナス圏に入った。

資金調達率は、無期限先物の価格を現物価格に近づけるため、トレーダー間で定期的に受け払いされる仕組みを指す。これがマイナスである場合、市場でショートポジションが過度に積み上がっていることを示す。相場が上昇に転じれば、ショートの清算が連鎖するショートスクイーズが起きやすい地合いと受け止められる。

ZeroStackのCEO、Daniel Reis Faria氏は「この水準のマイナス資金調達率は、市場が下方向に過度に傾いていることを意味する」と指摘した。そのうえで、「この状態でビットコインが上昇を続ければ、大規模な清算が発生し、上昇ペースが加速する可能性がある」と分析。ショートの清算が進んだ場合、今後30〜60日で12万5000ドル(約1875万円)に達する可能性にも言及した。

マクロ環境もリスク資産の追い風となっている。ドナルド・トランプ米大統領がイランとの恒久停戦の可能性に言及したことを受け、世界の株式市場は堅調に推移した。MSCIワールド指数とS&P500種株価指数は最高値を更新し、ブレント原油は下落した。

もっとも、地政学リスクの緩和を市場が先行して織り込みすぎているとの見方もある。イラン側は核開発計画の放棄やホルムズ海峡の開放を確認しておらず、中東情勢の緊張が完全に解けたわけではないためだ。

一方、オンチェーン指標は別のシグナルを示している。オンチェーン分析家のCryptoBizaArt氏は、「トゥルー・マーケット・ミーン(True Market Mean)」を基準に、現在の市場価格がアクティブ投資家の平均取得コストを下回っているとの見方を示した。これは一部投資家がなお含み損を抱えていることを意味し、戻り局面では売り圧力につながる可能性がある。

トゥルー・マーケット・ミーンは、紛失コインや長期休眠コインを除外し、実際に市場で活動している投資家の平均取得単価を推計する指標だ。2016年以降、ビットコインがこの指標を明確に下回った局面は、2018〜2019年の弱気相場や、FTXとルナの崩壊後にあたる2022〜2023年の調整局面と重なったという。

足元の市場では、強気材料と上値抑制要因が併存している。短期的にはマイナスの資金調達率がショートスクイーズを誘発し、急騰につながる余地がある一方、含み損を抱える投資家の戻り売りが上値を抑える可能性もある。

今後の焦点は地政学イベントの行方だ。米国とイランの停戦協議が実際に進展するかどうかが、リスク資産全般とビットコインの短期的な方向感を左右する主要因とみられている。

主要アルトコインは相対的に底堅かった。イーサリアム(ETH)は24時間では下落したものの、週間では6%上昇した。XRPは6.4%、ソラナ(SOL)は2.7%上昇し、BNBとドージコイン(DOGE)も上昇基調を維持した。

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