Microsoftが、Xbox事業の戦略見直しを進めている。米The Vergeが16日(現地時間)に報じた。新たなXbox責任者のアシャ・シャルマ氏は、Game Passの料金体系を見直して利用者の負担感を抑えるとともに、ブランドの軸足をコンソールに戻す方針を打ち出したという。
シャルマ氏は最近の社内メモで、現在のGame Passについて、プレイヤーにとって割高になっているとの認識を示し、価値設計の見直しが必要だと強調した。
これまでの単一モデル中心の運用を改め、市場環境やユーザーの利用動向に応じて柔軟に最適化できる仕組みに移行する考えだ。
その一環として、Game Passでは料金プランの細分化を検討している。Microsoftの自社スタジオ作品に限定した低価格ティアの新設に加え、Netflixなど外部サービスとのバンドル商品を投入し、加入者基盤の拡大を図る案が議論されている。
「Call of Duty」シリーズをGame Passに含めるかを巡る社内議論も続いている。今後発売する新作について、発売初日からの提供対象から外し、コストを抑える案も検討対象に入った。
マーケティング方針とユーザー体験(UX)の見直しも進める。シャルマ氏は、Xboxのブランドイメージに合わないとの批判が出ていた広告キャンペーン「This is an Xbox」を打ち切り、コンソールを中心に据えたブランド運営に立ち返るよう指示したという。
これに合わせてエンジニアリングチームは、Quick Resume機能を個別に無効化できるようにすることや、UIの色変更、より簡潔なガイドインターフェースなど、ユーザーが長く求めてきた機能の実装を優先している。
UX改善を支える技術基盤の強化も並行して進める。現行のXboxプラットフォームは、統合コードリポジトリや共通データ基盤が十分ではなく、サービス品質や開発速度が個々の開発者の力量に左右されやすい面があるという。
シャルマ氏は、エンジニアリングとデータ基盤を抜本的に強化し、コンソール、PC、クラウドをまたいで一貫したUXを提供できる体制を整える考えだ。これは次世代コンソール「Project Helix」の投入を見据えた基盤整備でもあるとしている。
Project Helixは、PCゲームの実行と高性能化を目標に開発が進められている。ただ、Windowsベースのシステム上で、従来のXboxコンソールが備えてきた柔軟なインターフェースをどう実現するかが課題として残る。
シャルマ氏は、PC環境でもフレンド検索やゲームの発見が滞りなく行える「つながった体験」を加速させる考えも示した。
また、組織内の当事者意識と顧客からの信頼回復の重要性も改めて訴えた。最近発生したコントローラーへのバッテリー同梱漏れでは、チームが直ちに工場ラインを立て直し、謝罪と補償策を用意した事例を紹介。あらゆる意思決定において、最優先すべきはプレイヤー体験だと説明した。
一連の動きは、Xboxがゲーム市場で主導権の回復を目指す戦略転換と受け止められている。