Appleのサプライチェーンで、次期iPhoneのカメラ機能強化に向けた動きが具体化してきた。iPhone 18 ProとiPhone 18 Pro Max向けとされる可変絞りレンズ用アクチュエーターの生産が始まり、カメラモジュール量産に向けた準備が一段進んだ。
米ITメディアの9to5Macが4月16日(現地時間)に報じたところによると、中国の光学部品メーカーSunny Opticalは、両モデル向け可変絞りレンズ用アクチュエーターの生産を開始した。アクチュエーターは、レンズ内部の絞り羽根を動かし、取り込む光の量や被写界深度を調整する主要部品だ。
可変絞りが実装されれば、撮影条件に応じてカメラ表現の幅を広げられる。背景を大きくぼかす撮影から、被写体と背景の双方にピントを合わせる撮影、風景全体をくっきり写す撮影まで、被写界深度をより細かく制御できるようになる。
現行のiPhoneでも、ポートレートモードではこうした効果の一部をソフトウェアで再現している。ただ、ハードウェア側で制御できるようになれば、描写の自然さや選択肢の広がりが期待できる。
サプライチェーンの動きも量産を意識した段階に入りつつある。カメラモジュールはレンズ、センサー、アクチュエーターを組み合わせて完成するため、今回の部品生産開始は本格量産に向けた準備が進んでいることを示す材料といえる。
業界では、この部品の立ち上がりを受け、LG Innotekなどが6月ごろにもカメラモジュールの組み立てに入るとの見方が出ている。
可変絞りは、これまでも次期iPhoneへの搭載がたびたび取り沙汰されながら、実装には至ってこなかった機能だ。今回はサプライチェーンの具体的な動きが確認されたことで、採用に現実味が増したとの受け止めが広がっている。
一方で、性能向上のインパクトを慎重にみる声もある。iPhoneはすでに明るいレンズを採用しているものの、センサーサイズには制約があり、プロ向けカメラのような極端に浅い被写界深度を実現するには物理的な限界があるためだ。
このため、可変絞りの導入は抜本的な転換点というより、カメラ性能を段階的に高める改良とみる向きが強い。
それでも量産モデルに採用されれば、AppleはProモデルにおけるカメラの差別化をさらに進めることになる。ソフトウェア処理だけに頼らず、ハードウェアとして被写界深度の制御を取り込む点で、次期iPhoneのカメラ戦略の方向性を示す動きともいえそうだ。
焦点は、Appleが数年にわたって検討してきたこの技術を、今回こそ量産製品へ安定して組み込めるかどうかにある。