上場ビットコインマイナーが2026年1〜3月期に、市場で売却したビットコインが3万2000BTCを超えたことが分かった。単一四半期として過去最大で、2025年通年の売却量を上回る水準となった。
Cointelegraphによると、Mara Holdings、CleanSpark、Riot、Cango、Core Scientific、Bitdeerなどの上場マイニング企業は、1〜3月期だけで3万2000BTC超を売却した。
TheEnergyMagは、この売却量がテラ・ルナ崩壊後の弱気相場が続いた2022年4〜6月期の2万BTCも上回り、四半期ベースで過去最多になったと集計している。
背景にあるのは、マイニング収益性の急速な悪化だ。Hashrate Indexによると、採算指標であるハッシュプライスは足元で1PH/s当たり1日35ドルを下回った。
35ドル前後は多くのマイニング企業にとって損益分岐点とされる。足元では約33ドルまで低下しており、旧式機材を使う事業者を中心に、業界の約20%が不採算圏に入ったという。
マイニング業界では、ネットワークハッシュレートの上昇による競争激化に加え、ブロック報酬の減少やマクロ環境の逆風が重なり、収益環境が一段と厳しくなっている。このため一部企業では、運営費を賄うための定期売却にとどまらず、財務目的で保有していたビットコインまで売却を余儀なくされている。
実際、マイナーの保有残高も減少している。オンチェーン分析企業CryptoQuantによると、業界全体の保有量を示す「Bitcoin Miner Reserve」は2023年末に186万BTCを超えていたが、現在は約180万BTCまで縮小した。
マイニング企業が採掘分の一部を売却してコストを賄うこと自体は珍しくない。ただ、足元では暗号資産相場の軟調とエネルギーコストの上昇が重なり、売却圧力が一段と強まっていることを示している。
CoinSharesは2026年1〜3月期のビットコインマイニングレポートで、ビットコイン価格が明確に持ち直さなければ、2026年上半期に高コスト事業者の追加的な退出、いわゆる「降伏」が続く可能性があると予想した。
一方、業界内ですべての企業が同じ戦略をとっているわけではない。保有ビットコインを現金化して運営費を確保する企業がある一方、ビットコインを積み増し、将来の成長資金として位置付ける企業もある。
これに対し、ビットコインを財務資産として保有する企業は、むしろ買いを継続している。代表例のStrategyは、ビットコインが週中に7万3000ドルを上回った後に調整する局面でも、追加購入に前向きな姿勢を示した。
同社のマイケル・セイラー会長は先週日曜日、ビットコインの購入履歴を示すチャートを共有し、「より大きな視点で見よ」と訴えた。
こうした動きは、マイニング業界でも事業構造によって対応が分かれていることを示している。収益性が悪化したマイニング企業は保有分の売却でしのぐ一方、ビットコインを財務資産として積み上げてきた企業は、価格調整局面を買い場とみている。
今後の焦点は、ビットコイン価格が持ち直すかどうかに加え、ハッシュプライスが損益分岐点を下回る状態がどこまで続くかに移りそうだ。